第129話【二次試験の内容】

「二次試験はこの屋内ダンジョンの中に入って貰います

中にはトラップや魔物が多数配置されており命の危険も有りますので

免責状にサインをお願いします」

「お、来た来た免責状」


ヴェンデスは待ってましたとばかりに免責状にサインをした。

他の受験者も免責状にサインをする。


「但し今試験は命に係わるトラップや魔物は配置しておりません」

「ん?」

「え?」

「なんだそりゃ?」

「今回の試験はこの宝玉を集めて来て貰います」


試験官は小さな宝玉を手に持っている。


「この宝玉はこのダンジョンの中に10個有ります」

「ほう、それではその宝玉を1つ回収して持って帰る、と言う事ですかな?」


ふくよかな体躯のカッテージが尋ねる。


「違います」

「違うのか・・・」

「この宝玉を多く持って帰って来た上位二名が試験合格者となります」

「!!」

「つまり奪い合いと言う事か・・・」

「兄貴、ちょっと良いか?じゃあ全員一個持って帰れば良くね?

同率一位で全員合格になれる」

「おぉ、それは良いな」


パンプロブラザーズの兄と弟が提案する。


「駄目ですね、同率一位の方が3名以上居た場合、三位から下を合格者とします」

「5個ずつ宝玉を持って帰って来た場合は?」

「その場合は一位の二名が合格となります」

「なるほどな・・・」

「またダンジョンに入る順番ですが以下の順番になります」

「順番?」

「えぇ先に入った人が入ってから5分後に次に入る人が入ると言う事になります」


紙に書きだされる入る順番は以下の通りだった。


アキラ

セレスタ

パンプロ・ブラ

パンプロ・ラザー

ヘンリアッタ

カッテージ

ヴェンデス

ロドリー

トドマ

クリアレス

バーベナム


「この順番は如何やって決まったんだ?」


バーベナムが疑問を口にする。


「先程の一次試験の点数が良かった順です」

「つーことは俺はドベだったと言う事か・・・」

「1点足りなかったら不合格になっていましたよ」

「マジか・・・アブねぇな」

「と言う事はアキラが一位か・・・一体如何やったんだ?」

「如何やった?」

「何か種が有るんじゃないか?」


アキラを見る他の受験生。


「何も、あらゆる分野に対し目を見張っていればこの位軽いさ」

「あらゆる分野だと・・・」


一次試験の内容は非常に多岐に渡っていた。

それの分野全てに目を通しているとしたらどれだけの時間を費やしたのか想像を絶するだろう。


「何者だか知らないが・・・出来るな」

「何者だか知らない・・・か、悲しいぞヴェンデス、私はお前の事を良く分かっていると言うのに」

「何・・・?」

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