第123話【魔法で語れ】

ヴェンデスの襟首を掴むアキラ。


「お前っ、お前なぁ!!」

「待ちなルーキー」


バーベナムがアキラの手を掴む。


「アンタ、騎士の恰好をしているが魔法使いだろう」

「あぁそうだとも!!」

「魔法使いならば黙って魔法で語れや」

「ひゅー」

「良いぞーバーベナム」


野次馬が野次を飛ばす。


「・・・・・分かった、試験中に思い出させてやる!!私の事を!!」


ヴェンデスの襟首を離して去って行くアキラ。


「・・・・・如何やら面倒そうな奴と因縁が有った様だのぉ」

「らしいですね長老・・・バーベナム、奴もアンタの様な

物理型の魔法使いなのか?」

「詳しくは知らねぇ、だが剣を使う事は間違いない筈だ」

「・・・因縁が有る相手か・・・厄介だな・・・」

「あぁ俺もそう思う、そこでだ、長老、ヴェンデス、ここは俺達三人で共闘しないか?」

「共闘だと?」

「パンプロ・ブラザーズみたいなチームを組んで参加している奴は多い

チームを組めばそんじょそこらの奴には負けないだろう」

「・・・試験内容にもよるだろう

例えば一昨年の様に一人一人試験する形式の場合は如何する?」

「そん時は諦めるしかない、だがその時はアンタもアキラの邪魔は入らないから

チームを組む意味は薄い、だがもしもチームを組めるような試験ならば

アキラが邪魔して来る可能性も高い」

「うーん・・・」


ヴェンデスは悩む。


「儂はチームに乗るぞ」

「長老?」

「儂もそろそろ二級魔法使いに戻りたいでの、老眼始まって来たし」

「世知辛い・・・」

「ヴェンデスは如何する?と言うかもうアンタ八浪目だろ

そろそろ合格したくないのか?」

「・・・悪いが止めておこう」

「・・・後悔すんなよ」


バーベナムが捨て台詞を吐くと試験官が試験会場にやって来た。


「えぇー皆さん、それでは二級魔法使い試験を始めたいと思います

ですが今回人数が多いので一次試験、二次試験と行いたいとおもいます

一次試験の試験会場に御案内いたしますのでついて来て下さい」


ヴェンデス達受験者は試験官と共に移動を始めた。

左程長い距離では無かったが試験官は別の部屋に案内した。

その部屋は長机が置かれた大学の教室の様な場所だった。


「奥から詰めて座って下さい」


受験者達は言われた通りに座席に着いた。


「一次試験の内容は筆記試験です

魔法の歴史や魔法の基礎についてのペーパーテストです

配られ次第解き始めて下さいね」

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