第96話【邪悪の権化達の集い】

遠い何処かで集まる邪悪の権化達。

彼等は魔王を殺す為に集いし凶刃の集【破魔の刃】


「今日集まって貰ったのは他でもない、この書についてだ」


口火を切った破魔の刃の女首領ラン・ハンゲルド。

その手に持っているのは【ドラゴンゾンビとの戦い、英雄のでぶ妖精】


「この書に出ているボールドヒン、私の記憶が確かならば

彼は幹部候補だったと記憶しているが」

「えぇドラゴンゾンビを渡したのですが如何やら失敗した様です」


そう語るのは破魔の刃、大幹部七神騎の一人【魔神騎】ラルト・ワイズマン。


「血気に逸った馬鹿にドラゴンゾンビを渡したのは性急だったのではないかね?」


大幹部七神騎の一人【頑神騎】ジョンソンが疑問を口にする。


「ま、まぁまぁラルト様も悪気が有った訳じゃないですし」


大幹部七神騎の一人【怪神騎】メアリーがラルトを庇う。


「だがこれは手痛い失敗なのは確かだ」


大幹部七神騎の一人【鉄神騎】バウザー・メックが問題に口を出す。


「その通りだ、ドラゴンを素材として使っていれば財政難も解決したでしょう」


大幹部七神騎の一人【金神騎】フォンファンが嘆く。


「おいおい、今は金の事を言っている場合か」


大幹部七神騎の一人【剣神騎】ショコラが遮る。


「金が有れば病気だったモルドットは今もここに居ただろう」


フォンファンはショコラを侮蔑に満ちた目で見返す

大幹部七神騎の一人【大神騎】モルドット、彼は今はここに居ない。

治療費をケチったからである。


「アレは何時も行っている医者が治せないとか言うからだろう!!」

「終わった事を蒸し返すな!!」

「ここは誰かを吊るし上げる場所では無い!!」

「なぁなぁで済ませて何時もグダグダになっているだろうが!!

その度に見当違いで金を使って少しはサイフの心配をしろ!!」


ドン!!と机を叩くラン。


「落ち着いてくれ、あんまり騒ぐと近所迷惑だ」

「近所迷惑だと?」

「ここを追い出されたらまた新しい物件を探さなくてはならない」

「くっ・・・」

「ここは理想的な物件だ、家賃も安いし大勢で屯して怒られない

変な染みや夜に金縛りに遭ったりするけど」

「・・・・・」


やつれているのはそれが原因かと思い至る七神騎。


「何れにせよ、我々がやるべき事は何か?報復だろう」

「そうだな・・・じゃあ手下達を総動員させる」


ショコラが立ち上がり、部屋を出る、部屋の外に居た自分の部下に命令を伝える。


「おい、でぶ妖精を見つけ次第捕獲しろ」

「え?・・・わ、分かりました。」

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