第84話【トップとの出会い】

「君が神州進撃会から来た同行者の人?よろしくー」


ハックが待ち合わせ場所で待っていると背中にリュックを背負った

眼鏡とマスクと帽子を被った怪しげな人物がやって来た。


「・・・マッフィン・トップさん?」

「しっー!!一応一人でやっているって言う体だからバレるかもしれないから

名前出さないでくれ!!」

「あ、すみません・・・」

「分かれば良いんだよ、じゃあ行こうか」


トップとハックは歩き始めた。


「・・・歩きなんですか?」

「まぁ近いし、大体私は徒歩で移動するんだ、馬車に乗るよりも

そっちの方がイベントが有るからね」

「イベント?」

「そう、例えば目の前に魔物が現れて倒すとか」

「・・・近場なんですよね?都の近くで魔物なんて・・・」

「出なくても出たって本には書きますし」

「!?」


そんなこんなで目的の村に到着した、ハックとトップ。


「ちょっと匂いますね・・・」

「そうだねぇ・・・じゃあ村長さんの所に行きますか」

「場所は分かるんですか?」

「えぇ、場所は予め分かっていますから」

「はぁ・・・」


トップはハックを連れて村長の家に向かった。


「お待ちしておりました」


村長はトントンと書類を纏めてトップに渡した。


「・・・何なんですその書類」

「この書類はこの村の人々から聞き込みを予め村長達にして貰い

情報を纏めた書類になります」

「はぁ・・・」

「結構骨が折れる作業でしたが無料で問題を解決して貰えるので頑張りました」

「無料!?」

「冒険記を書く時に依頼人を抱き込むのは良く有るケースですよ」


パラパラと書類を眺めながら事も無げにそう言うトップ。


「えぇ・・・依頼人にも金を払っているんですか?」

「冒険記に書くのを嫌がられるパターンも結構有るんですよ」

「はぁ・・・」

「勿論、村長の名前は何処にも出しません」

「何だかなぁ・・・もっと情報を聞いて回ったりしましょうよ」

「秘密を知る者は最小限にしたいんですよ」

「気持ちは分かりますが・・・」

「それに聞いて回るのは結構面倒なんですよね」

「面倒ってそれを言うのは元も子もないでしょう」

「まぁまぁ御二方、落ち着いて下さいよ、コーヒーでも如何ですか?」

「頂きます」

「貰おう」


村長はキッチンに向かいコーヒーを淹れる。


「所で村を荒らす何者かの撃退って依頼ですけど具体的に如何いう事なんですか?」

「ふむ、掻い摘んで言うとだね」

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