第81話【Correct&Result】

高台から降り、公園にやって来た4人とせむし男。


「さて、クハルさんさっきの言い様だと答えはあまり良くなさそうですが

一応聞きますね、過去に戻る気は有りませんか?」


ベンチに座ってせむし男が尋ねる。


「有りませんよ」

「うーん、そこが良く分からない

そりゃあローブ君達はまだ若いですから

このまま人生を歩むと言うのはアリでしょうよ

でも貴方には失礼ながら先は無いじゃないですか」

「そうじゃな、老い先短い、だが無い訳じゃない」

「その短い中に希望が有ると?分かりませんね、貴方はもう老いて

力も全盛期に及ばない、食欲もあまり無いでしょう?」

「確かに肉を喰えるかと聞かれれば確かに難しい

でもな・・・あの頃の儂は未来を信じてやって来たんだ

同じ所をグルグル回って足踏みなんて御免被るよ」

「なるほど・・・そういう事なら無理強いはしませんよ」

「意外と素直なのね」

「私は善意で行っているのですよ、必要が無ければ無いで良いじゃないですか」

「なるほど」

「ではそろそろ私は消えます、また数十年後にお会い出来たらお会いしましょう」

「消える前に待て」

「はい?」


クハルがせむし男を呼び止める。


「最初にお前、儂の名前を呼んだじゃろ」

「そうですかねぇ・・・」

「何で儂の名前を知っていたんじゃ?」

「私は過去から未来へ何度も何度もグルグル回っているのです

その周回の中で貴方と接する事は他にも有った、と言う事ですよ」

「そうなのか・・・」

「因みにその周回の中では貴方が私の誘いに乗ったり

彼等二人が過去に戻ると言う事も有りました」

「!?」


驚く4人。


「運命とは些細なボタンの掛け違いで幾らでも変わって行く物なんですよ」

「そんなもんなのか?」

「えぇ、短い老い先を生きたいのならば充分に楽しむのが良いと思います

では私は失礼します」


せむし男はパッと消えた。


「・・・それじゃあ何じゃな・・・如何する?」

「上の二人は放っておいても良いんじゃない?」

「そうだな・・・」

「じゃあ儂から提案なんじゃが・・・呑みに行くか?」

「さんせー!!」

「あ、俺は未成年なんで・・・」

「じゃあ適当に飯でも食っとれ!!」


そんなこんなでその日はその後、呑みに行き

翌日リンから報酬として4人に40Gが渡された、4人で割って1人10Gである。


今回のリザルト

10G

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る