第57話【怪盗の登場?】

トールォはワインを持ってその後ろからハックとヴェンデスが付いて行く


「緊張しますな・・・」

「そうですね」


ハックは唾を飲んだ、そしてパーティ会場に着いた

会場にいる賓客達はトールォを見る


「おぉ!!アレが噂に高いトワイライト・・・」

「凄い・・・」

「本当に開けるのか・・・?」


ざわざわするパーティ会場、それと同時に会場の照明が消える


「!!?」

「【Night vision】!!」


ヴェンデスは夜目が利く暗視の魔法を自身とトールォ、ハックにかけた


「これは・・・」

「暗視の魔法だ!!来るぞ!!」


ガッシャーン!!と窓ガラスが割れる音が周囲に響いた


「ひっ・・・」


トールォは驚いてワインから手を放してしまった

ワインは重力に従い地面に落ちる


「っ!!」


ハックが慌ててワインボトルを手にしようとするが

トールォにぶつかり逆に倒れてしまった


「おでぶちゃん!!キャッチして!!」

「にょー!?」


ハックは慌ててポーチからでぶ妖精を投げてワインボトルの下に投げ込む


「にょ!?」


ガシャン、と何か割れる音がした後に照明が復旧する


「・・・と、トワイライトは!?」


トールォが叫ぶ


「・・・無事だにょー!!」


ワインボトルを高く掲げるでぶ妖精

キャッチに成功したのだ、湧く賓客達


「じゃあ早速開けましょう!!」


ハックはトールォに向き直る


「あ、あぁそうだな」


トールォは蒼褪めた顔で震えながらに声を挙げた


「?」


その後トールォはワインを開けて賓客に振舞った


「・・・・・意外に普通だな」

「そうですね、味わいに深みが無いですね」

「これがトワイライト?」


賓客達の辛口の意見が出て来る、ワイン自体は辛口では無い


「・・・わ、私はビターさんの所に行きますね

如何なっているか気になりますので」

「そうですか、こちらはもう仕事完了、で大丈夫ですよね?」


ヴェンデスが確認する


「も、勿論だとも」

「ボーナスは」

「あ、後で払う!!そ、そうだ、君達もパーティを楽しんで行ってくれ」

「良いんですか?」

「良いとも!!じゃ、じゃあな!!」


つかつかとトールォは去って行った


「・・・何だか拍子抜けだな、じゃあ俺達もトワイライトを呑むとしようか」

「未成年なんで遠慮します」

「じゃあ代わりに飲むにょー」

「ほいと、じゃあ乾杯」

「かんぱいにょー」


かちんとワイングラスを合わせてワインを飲む

ヴェンデスとでぶ妖精


「・・・普通だな」

「美味しいにょー」

「鯖も喰え喰え」


モーニングから鯖を進められるでぶ妖精


「ありがとにょー」

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