第54話【第一の計算違い】

庭に経てたテントの様な

警邏達の警備本部に案内されるハックとヴェンデス


「ビターさんお疲れ様です!!」


忙しそうにしている警邏の一人が挨拶をする


「お疲れ様」

「その二人は?」

「この二人は工房側で雇われた神州進撃会のハック君とヴェンデスさんだ」

「よろしくおねがいします」

「よろしく!!」

「えぇよろしくおねがいします

所でビターさんちょっと・・・妙な事になりまして・・・」

「妙な事?」

「実は警邏の本部にホイップからの予告状が届きまして」

「ふむ?警邏の本部にか?」

「えぇ、今までに無かった事ですが・・・」

「内容は?」

「・・・『この工房に宛てられた予告状は偽物で自分は出した覚えが無い

証拠としてダイオロシ商会の銀の鷹を明日頂きに参上する』との事です」


驚くビターとハック、そしてヴェンデス


「な、何だと・・・じゃ、じゃあこの工房の予告状は一体・・・」

「悪戯だったのか?」

「いや悪戯では済まないぞ、ボーナスで50G貰う事になっているんだから

ここでやっぱ無しとかでは済まされない」

「・・・何れにせよトールォさんとはもう一度話す必要が有るようだな」


トールォの所に戻る三人


「何と!?当工房に来た予告状が偽物!?」

「えぇ・・・念の為この工房に来た予告状を見せて頂いても宜しいですか?」

「い、いや・・・実は怒りの余り破り捨ててしまいまして・・・」

「何ですと!?」

「す、すみません・・・」

「トールォさん、少し宜しいでしょうか」


ヴェンデスが口を挟む


「な、何でしょうか」

「先程言ったボーナスの話ですが・・・

もしも悪戯か何かの場合でホイップが此方に来なかった場合

お支払い頂けるのでしょうか?」

「・・・・・・・私の推測だと

恐らく警邏の本部の方に来た予告状が偽物では無いでしょうか?」

「私も実物を見た訳では無いので分かりません」


話を振られて応えるビター


「どちらにせよ、何かしらが来て守り通せた場合

ボーナスの50Gはお支払い致します」

「きちんと契約書を書いて頂いて宜しいでしょうか」

「分かりました、契約書を交わしましょう」


トールォはつらつらと契約書を書いて判子を押した


「確かに頂きました」


ヴェンデスは契約書を懐にしまった


「あのー・・・もし失敗しても罰金とかって無いですかね?」


心配そうにハックが問う


「安心したまえ、盗難保険をかけているから盗まれても面子が潰れるだけで

金銭的な損失は生まれない、だがちゃんと警護してくれないと

ボーナスは払わないぞ」

「分かりました」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る