第31話【食わず嫌いは勿体無い】
ポートがカレーに舌鼓を打ち、追加注文をした頃
カホルも追加注文をしていた
ほの暗いバーでムチムチで暑苦しいバーテンがシェイカーを思い切り振り回す
シャカシャカとなっていた音が徐々に消えてシェイカーを開けると中からほかほかのオニギリが出て来た
「お待たせしました、ゆかりです」
「ありがとー、うん、美味しい!!」
カホルが今居るここはおにぎりバー【BarNGR】
バーなので酒も頼めるが自重しているのかカホルは酒を頼む気配が無い
「・・・お客さん、観光の方?」
「いや、お仕事で来ているんだけどねぇ、凄い装備品を買い取ってくれる人を探してるのよぉ」
「凄い装備ですか・・・インテリアにはお金かけられませんし・・・
そう言えばインテリアに凄い凝って居る店が有りましてね
【Theアセンション】って店ですがそちらに行くのは如何でしょうか?」
「あら、ほんとぉ?じゃあ行ってみるわぁ、マスター、お勘定」
「はい、暗黒(全面海苔おにぎり)、ゆかり、二点で3Fとなります」
「は~い」
カホルは勘定を済ませて教えらえた店に向かった
「ここが【Theアセンション】ね、見た目凄いわねぇ」
店の外観は教会の様なのに派手に『新感覚の未知なる領域を体感せよ!!』と言うキャッチフレーズと
叫んでいる女性の絵が描かれている
「じゃあお邪魔しまーす」
ちゃりんちゃりんと店のベルが鳴る
「いらっしゃいませー」
ウェイトレスはキューピットの様な恰好をしており内装もインテリアに凝っている様だった
だが鎧や兜等は合わない様に見受けられた
「うーん、失敗だったかしら・・・」
だがこのまま帰るのも何なので食事をして行く事にした
「お客様、当店の御利用は初めてですか?」
「そうだけども?」
「当店は言ってしまうと難ですがえてものに当たる物の専門店でして」
「えてものね、扱いが難しい材料だったかしら?因みに何の専門店なの?」
「脳料理専門店です」
「脳?聞いた事無いけど美味しいのかしら・・・一度お店に入ったんだから食べて行くわよ」
カホルのチャレンジ精神に火が付いたのだった
「良いのですか?」
「良いわよ、食わず嫌いは勿体無いからね」
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