第23話【臨時休業中】

満腹町に向けて馬車を走らせる神州進撃会一行


「・・・外を見るとでぶ妖精達が多くなって来たな」


外を見るハックがぼやく


「でぶ妖精達にとっても食べ物が沢山有ると言う環境は理想郷なのだろうさ」


ポートが言葉を返す


「それにしても君が来るとは意外でしたよポートさん

貴方は戦闘系にしか興味がない御仁かと思いました」


トーホクが興味深そうにしている


「ギルドマスターの知り合いと言うのが気になってな」

「・・・そういえば俺、ギルドマスターに会った事無いんですが」

「私とキョクさんは有った事有りますよ」

「カホルちゃんも会った事ありま~す」

「私もだ、あんまり顔を出さないが、いや顔知らないが」

「顔を知らない?」

「顔を隠しているんだよ、何でか知らないけど」

「はぁ・・・」

「悪い人では無い、筈、多分」

「筈って・・・」

「にょ~♪」


ポーチからでぶ妖精が顔を出す


「如何した?」

「良い匂いがするにょ~♪」

「うん?」


窓の外を見るハック、満腹町が見えて来た

様々な飲食店が軒を連ねる食い倒れの街がその姿を見せたのだ

人々が溢れかえり都よりも狭い面積なのに都以上の人が集まっている様だった


「ここが満腹町か・・・」

「仕事は任せた!!御飯を食べるのは任せろ!!」

「それは無いわおでぶちゃん・・・」

「にょーん・・・」


そんなこんなをしている内に八仙飯店に辿り着いた一行

馬車から降りると店には臨時休業中の張り紙が


「店構えからすると中華!!これは・・・御飯が進む予感!!」

「普通に仕事するよ・・・」

「仕事の前にお腹空かない?」

「仕事するんだから御飯食べたらダメでしょ」

「にょー・・・」

「ハック君、でぶ妖精と漫談も良いけど仕事行かなきゃ」


トーホクが促す


「そうですね、でも休業みたいですけど・・・」

「鍵は開いている様だな・・・」


キョクがドアを押すと簡単に開いた


「すいませーん、神州進撃会の者ですけどー」

「はいはい、すいませんね」


若い男が奥からやって来た


「店主の人?」

「いや、この店で住み込みでウェイターをやっているコモンズです」

「はぁ・・・えーっと御話は伺っていますか?」

「奥に店長が居るんで、奥で聞いて貰っても良いですか?」

「構いませんが・・・」


店の奥に入って行くギルドの面々

店の奥からはトンテンカンと何か大工仕事をしている様な音が響く


「この音は?」

「実は先日色々有りましてね・・・」

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