第20話【重要な仕事】

普段は来るか来ないかはギルドメンバーの自由意思で決められている

神州進撃会だったが今回は大勢人が来ていた

ハック、ヴェンデス、ポート、キョク、キン、カホル、ナガノ

ドン、トーホク、ダラン、クハル、そしてキュー


「えー、今回暫定的に議長を務めますキューです」


キューが前に出て説明を始める


「今回の仕事の出来に可否によっては

国からのギルド支援も打ち切られる可能性が有るので皆さん

己がやるべき事をやって頂きますようお願いします

特にハックは初めてだからヴェンデスさんサポートをしっかりお願いします」

「任せろ」

「お願いします」

「さて、そろそろ時間ですね・・・」


ごーん、ごーん、ごーん、ごーん、ごーん・・・

都の鐘が五回鳴った


「では皆さん行きますよ」

「「「「「「「「「「「「おう!!」」」」」」」」」」」


勢い良くギルドから飛び出した




「はーい、こっちですよー」

「並べ並べー、押すなよーかけ出すなよー」


指定された箇所で人々を誘導するハックとヴェンデス


「流石は都、人多いっすね」

「まぁな・・・おーい気ぃ抜くなぁ、本番のつもりでやれぇ」


彼等が何をしているかと言うと避難訓練である

都はとても広く人も多い、いざと言う時の避難経路の確認等しっかり済ませないなければ

混乱が起こるだろうと言うのは想像に難くない

そういう時の避難誘導もギルドの務めである、大手なら兎も角

神州進撃会の様な規模の小さいギルドならば義務と言っても過言では無い


「お二人共大変そうねー」


にこにことした物腰の柔らかい女性がハックとヴェンデスに話しかけて来た


「え?何方さん?」

「マリーさんだよ、婦人会の」

「一応ギルドメンバーだけどね・・・今日は子供達と一緒に避難訓練、じゃあねー」

「あ、お気をつけてー」


そういう事も在りながら粗方避難訓練が終わった


「おつかれー」

「お疲れ様です、でも俺こういうの初めてですよ」

「まぁ田舎じゃやらんわな・・・何れにせよこういう事はやっておかないといけないからな」

「そうっすね・・・」


都に強大なモンスターや魔法使いが来る事は偶に有る

十数年に一度有るか無いかと言うレベルだが、起きてからでは遅い

その為、命を守るための避難訓練は重要な仕事と言って良いだろう

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