第18話【ハッピーバレンタイン】

「ハックー、ハッピーバレンタイン!!」

「・・・ど、どうも・・・」


寮の部屋から出るなり血走った目のキンに声をかけられた

手にチョコレートの様な包装を持っている


「・・・えーっとそれは」

「当然チョコだ、お返しは倍のチョコレートを要求する」

「は、はぁ・・・」

「良いか、チョコだぞチョコ!!今食えないんだからその位は要求するからな!!」

「まぁ女子からチョコ貰うのは何気に始めてなんで有難く頂きます」

「そうなのか?家族から貰わんの?」

「近所にチョコ売る店とか無かったですし」

「ド田舎ぁ~」


そんな事が朝に有って、とりあえずチョコをポーチに入れようか

と思ったがでぶ妖精に食べられかねないので手に持ってギルドへ向かった

ギルドには籠に入った色んなチョコレートが置いてあった


「キュー、これは?」

「婦人会からのプレゼント」

「婦人会?」

「ウチで働いている人妻のマリーって言うのが居て

マリー経由で近所の婦人会から差し入れが来る事が有るのよ」

「へぇ・・・」


一つチョコレートを口に頬張った、甘い


「ちょーだいちょーだい」

「はいはい」


でぶ妖精にもチョコレートを与える


「あまーい」

「よしよし、所で今日の仕事何かある?」

「うーん、今日も仕事は無いね」

「あ、そう・・・」

「は~い、ハッ君にキュー、おはよ~」


カホルがギルドにやって来た


「キュー、今年の友チョコ~、チョコレートボンボンにしてみたわ~」

「また微妙な所ついて来たわねぇ、私もチョコクッキー作って来たから、はいどーぞ」


何故かチョコレート交換をするキューとカホル


「仲良いなぁ・・・」

「そりゃあキューの劇団にメイクに行く事あるしねぇ?」

「カホルは女の子と仲良くなる才能有るよ」

「字面だけみると羨ましい才能だなぁ・・・」

「そういう貴方はポートとは如何なのよー」

「いやそう言うのは無いけど・・・」

「あらあら・・・」

「ちょこーちょこー」

「これ以上はだーめー」

「にょーん・・・」

「おでぶちゃん可愛いわねぇ」


しょぼくれるでぶ妖精の頭を撫でながらにこやかに笑うカホル


「今日は何かあるかしら?」

「特に仕事無いらしいっすね」

「あら~、んじゃ今日はちょっと面白そうなお店見つけたし行かない?」

「面白そうな店?」

「チョコレートファウンテンって言う

チョコレートがだばぁってなってるお菓子のお店なんだけど、どぉ?」

「だばぁ?」

「イメージ付かないけども行きます」

「面白そう、私も行こう」

「いくいくー」

「おでぶちゃんは駄目よ、財布が死んじゃう」

「にょー・・・」

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