エピローグ

 次元門を通じての貿易は順調だ。

 魔道具も儲かっている。

 運送サービスは現在オークとワイバーンの領域で行っていた。

 ガスポーション、薬草、ポーション、カレー粉は全て黒字だ。

 商業ギルドの権利料もかなりの額を稼いでいる。

 そして、遂に借金を返し終えた。

 よし、正式にプロポーズしよう。

 その前に祠が完成したので封神に一人で会いに行く。




 木でできた祠は真新しく、中に入ると木の良い香りがする。

 中に照明はないので、魔道具で照らす。

 石碑はいつもと同じようにたたずんでいた。

 封神に頭の中で呼びかける。

 なんと、立体映像で封神が浮かび上がった。

 封神はヒラヒラを身に纏いステージ衣装を着ている感じだ。

 顔は若く非常に整っていて、神様らしい人間でない雰囲気がある。




「今日は何かなぁ~」

「えっと封神様ですか」

「そうだよ。封神で良いって」




「何か俺に細工がされてませんか」

「いいね~。するどいね君。OSと呼んでるあれに細工がしてあるよ。スキルの自動発動が起こりやすくなっているんだよね」

「そもそも、スキルの自動発動ってなんですか?」

「スキルはね枷なんだ。魔力暴走を阻止する機能があるよ」




「俺に細工したのは何でですか?」

「冒険の様子が面白くって、死なれると暇になるからさ」

「分かりました。それから、荒野に花が咲くまで雨を降らせる事ってできます?」

「いいよ、それくらいやってあげる」




 フィオレラと花が一面に咲き誇った元荒野を行く。

 この日の為に手に入れた元の世界産の婚約指輪をポーチに入れ、ゆっくりと歩く。

 向かい合って見つめ合う。


「フィオレラ、俺と結婚してくれないか」

「はい、一緒に生きましょう」


 キスしてから、左手の薬指に指輪を嵌める。


「荒野迷宮の領地を開拓していこう。そこに、忌み子にスキルを学ばせる為の学校を建てよう。忙しくなるぞ」

「はい、いっぱい手伝います」

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