第51話 封印スキル
無事朝になり帰路につく。
途中二度ほど襲撃があった。
一度目はウィンドウルフだ。
こいつら鼻が良いから余っていた肉の匂いに釣られたのだろう。
ナイフを持たせた魔力ゴーレムで蹂躙した。
防御力があまりない狼系はナイフで充分だ。
二度目はロックキャタピラーで特大の風の刃を叩き込んだ。
こちらも問題なく片付けられた。
ギルド窓口で魔石を売ると共に皮や牙などの精算をしてもらう。
チーム豪雷の名前を出すとおめでとうございますと言われる。
なんだろう。聞くとなんとローレッタがEランクになった。
今日はお祝いだ。
酒屋のおっちゃんに果実酒の高いのとワインを幾本か選んでもらう。
お気に入りの屋台の料理を二人に手伝ってもらい沢山持ち帰る。
リビングのテーブルの上に料理を並べた包んだ葉っぱから漏れ出る香りがたまらない。
摘まみ食いしようとしたら、フィオレラにたしなめられた。
装備を解除しないと。
自分の部屋に入り装備品を外し鎧を脱ぎ服に着替える。
あれっ置いといた一番最初に作った魔力ゴーレムが無い。
そうか俺の魔力が抜けたのか。
長い間ゴーレム操作しないと元に戻るのを忘れていた。
今回は反省会はいらない。
でもブレードバードには歯が立たなかった。
戦力の向上はまだ必要だ。
疲れが残ってるから良い考えが出ない。
とりあえず宴会だ。
「遠征の成功とローレッタの昇格を祝して乾杯」
「「乾杯」」
「ローレッタおめでとう」
「ありがたい、でもまだまだだ」
「今の調子でワイバーンの領域で狩りをすれば。あっと言う間にランクが上がるだろう」
「いまいち、実力が上がった感じがさねだ」
「いや、アビリティ使いこなしているだろう。俺も装備の強さも自分の強さだと思う事にしている」
「ローレッタは凄いです。私なんて攻撃できないから役立たずです」
「フィオレラは魔道具の生産などやってもらっているから立派だぞ。裏方も大事だ」
「私は出来ることしているだけです」
「みんなが頼り無いと言う訳じゃないが、パーティメンバーの追加が欲しい」
「人数が増えると賑やかになりそうです」
「見張りも楽になる」
「しかし秘密を話しても良いという人は見つからないよな」
「思いきって孤児から見習いにするというのはどうです?」
「信用の置げる人つと田舎にいる弟や妹しか思いつがね」
「少し考えさせてくれ。検討してみる」
「新しいパーティメンバーは男にして下さい。ライバルが増えるとやっかいです」
「んだの。手紙で弟にそれどねぐ聞いでみる」
男か人間関係も複雑になりそうだ。
男女の諍いなどが起きなければ良い。
でも、今から心配する事でもない。
「難しい話は止めよう。楽しい話をしよう」
「師匠、将来子供は何人欲しいです?」
子供かヤギウの伝説によれば沢山子孫がいるという事だから、稀人でも子は生せるだろう。
「そうだな、三人ぐらいがいいな。でもフィオレラと結婚するとは限らないぞ」
「わは沢山ほしのぉ。田舎が大家族だはんで」
「ローレッタ、一段落ついたら、そのうち村にみんなで行こう」
「えい、なも無ぇ所だばって歓迎す」
その後なごやかに宴会は進み、一日が終わった。
爽やかな目覚めだ。
さて何をしよう。
まずは補充する魔弾の確認からだ。
必要な物のリスト作ってフィオレラ渡す。
魔道具の開発は当分良いだろう。
ローレッタが銃を欲しがっていたな。
スキルを発動しても銃身に影響が出ない様にする方法か。
朝飯が済んだら、ギルドに行って調べてみよう。
「食べながら聞いてくれ。今日から六日間休みだ。最後の一日は遠征の準備に当てるとして各自必要な事意外は自由に過ごしてくれ」
「分かりました」
「分かった」
朝食を終えて、ギルドに魔力ゴーレムを連れて行く。
どうしてゴーレムを連れて行ったかというと本当に他の人には見えないか確認する為だ。
見える人がいた場合は対処の必要がある。
今のところ大丈夫だ。
見えている
資料室でいつものスキルが載っている本を見る。
それらしいスキルを見つけた。封印スキルだ。
さて封印スキル誰から分析するか。
商業ギルドに行ってクリフォードさんに会う。挨拶を終え本題を切り出す。
「相談ばかりで申し訳ないのですが、興味持った事がありまして」
「ほうどのような事ですかな」
「封印というスキルで魔道具がどうなるか調べたいのです」
「なるほど、それは知りたいと思って当然です」
「誰か紹介して下さい」
「いいですよ。知り合いの門番が持っていたはずです」
家に帰り照明の魔道具を持って西門に向かう。
門番にスキルを持っているダリルさんの事を尋ねる。
門番は訝しげにこちらを見るが、丁寧にダリルさんのいる詰め所を教えてくれた。
詰め所は普通の一軒家で扉が無い所が普通の家と違う所だろう。
中のリビングには門番と思われる人が六人待機していた。
声を掛け中に入る。
「すいません。ここにダリルさんという方いらっしゃいます?」
奥の椅子に腰掛けていた皮鎧を着た男が進み出る。
「おう、俺がダリルだ。お前は何度か見た事があるな。たしかハンターだったはず」
「ゴーレム使いのシロクと言います。クリフォードさんから聞いて来ました」
ダリルさんは紹介状を読むと首を
「これによると便宜を図ってやって欲しいと書いてあるが何をすればいい」
「今売り出し中の魔道具という物を手に入れまして。高い物なんですが、封印のスキルでどうなるか性能が気になって」
魔道具を背負い鞄からとりだして見せる。
「これか使ってみてくれ」
魔道具は明かりを発し部屋の中を明るく照らす。
「明るいな。照明か。封印を使うぞ【封印】消えたな」
ばっちり分析したぞ。
「消えましたね。スキルを解除して下さい」
再び魔道具が光る。
「点きましたね。ちょっとした疑問なんですが自分自身をスキルの範囲に収めるとどうなります」
「別に普通に封印は効力を発揮するな」
「お手数をかけました」
うーんスキルは思い通りの物だった。
発動のイメージはスキルを封印したいだ。それで、魔力のイメージが魔力に伝わるイメージを横取りして魔力に食わせるなんて。
これ何を考えたら、こんなスキル覚えるんだ。
そういえばゴーレム操作もおかしい。
ゴーレムにひもを付けるなんて滅多に想像しないだろう。
これはあれだ。OSが翻訳しているな。
人形を操りたいと思えばゴーレム操作のアビリティのイメージに変換しているのだろう。
封印もスキルを封じたいと強く思うとOSが発動のイメージに変換して獲得の経験値が溜まるのだろう。
アビリティに近いイメージでスキルを発動すると効率が良くなるのかな。
OSの名前も何か考えないといけないのか。
でも思いつかないなこのままで良いだろう。
さて、材料を仕入れてローレッタ用の銃を作るか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます