第1章9 『一筋の光』

「なぁ、フィアナ。あいつってこの場合仲間なのか?」


「うみゅ〜ルナナとフィアは友達だからキリューはぁ知り合い?」


「何だと!? この裏切り者ー!」


 酷な答えが返ってきてキリユウは危機感を感じざる終えなかった。二人の返事が思っていたことと違ったのかコクも驚いているようだ。


「お前、役に立たないのだ!」


「確かに僕はここに来てあんまし役に立ってない気がするけどさ! なんか他に言い回しないの!?」


「そんなことないわ。私の食料になるもの!」


「そうなのぉ」


「そうだったのだ!」


 三人は自分を見て食料と言ったのだろうかと思考を巡らせる。即ち、キリユウは喰われるという事になる。青ざめるキリユウにミアが手を伸ばす。

 ミアの周りには黒く光り輝く無数の粒が見える。その光はミアの瞳を黒く染め上げ暗闇へ導いている様に見えた。ミアがキリユウの首に顔を近づけ口を開け、八重歯で噛もうとした。

 刹那、


炎の妖精フレア!』


 小さな光が一等光だしたのだ。


「キャッ」


「ノワァッなんなのだっ」


「キャーっ熱いのぉ」


 突如、三人はキリユウから一斉に距離を置いた。


「キリユウ!」


 ルナの呼びかけに二人の方へと走り向かう。そして、ルナは薙刀でキリユウの枷を風を操り解いた。


「母様っ」


 ハクがミアへと駆け寄りコクは戦闘態勢へと入っていた。


「な、何が起きたんだ?」


「知らん」


「さぁ〜何が起きたんだろぉね?」


 ルナは純粋に何も分かっていない様だった。しかし、あの時聞こえた声は以前も聞いた事がある声であった。


「あぁ、ダメね。もっと血が必要だわ」


「ってめぇ、血を飲んで若さを保ってたのか」


 ミアの皮膚は一瞬にして水分がなくなり、乾ききった。恐らく、先程の光が吸血鬼にとっての弱点なのだろう。


「血が欲しい。若い娘の血が」


 そう呟くミアの瞳にはフィアナが映る。どうしたらこの場を切り抜けることができるのか。思考を巡らすキリユウだが、考える暇もなくコクが複数の黒炎の球を創り出しキリユウ達めがけて放つ。ルナはキリユウとフィアナを護る形で受け止める体制で黒剣と薙刀を構える。

 刹那、それは唐突に目の前へと現れた。

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