64日目
「…あの、ナナシさん」俺たちはすでにドラゴンが住むという山の麓までたどり着いていた。その日の夜、ルメラが不安そうに俺に訊ねる。「その…ナナシさんは、ドラゴンを倒したことがあるんですか?」…ドラゴンなんて倒したどころか、そもそも見たことがないのだ。俺は力なく首を横にふる。すると、ルメラは以前と同様に青ざめた顔で俺を見る。「…じゃあ、勝てる見込みはあるんですか?」ルメラは不安そうな顔で言う。「いや、ないよ。でも俺はリオナを…」「む、無理ですよ!」俺が最後まで言い終わらないうちにルメラは叫んだ。その表情を見て俺はようやく、ルメラが本気でドラゴンに恐怖していることを理解したのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます