説教好きな冒険者～全てに怒れる召喚されし者

第74話ゾラム領ーend

「ベッドが固いな？あぁフィルティベッドか！

なら仕方ないな！もう一眠りだ！」

俺は朝日に目覚めたが食事の準備がまだなので寝る。

「Zzzzzz・・・」

・・・ん？

「Zzzzzz・・・」

・・・マジ？

「Zzzzzz・・・V」

・・・何処からか突っ込み入れれば良い!?

俺は完全に目が覚めた。

「フィル!!てめえ起きろや!!朝からボケるな！」

「主殿？私ではないですよ？」

「え・・・マジ？」

「マジです！私ベッドが固いな？から起きてますから！

正直突っ込み入れるか悩んでましたよ？

主殿が先にボケるからどうしようかと…」

「・・・そうだったな…先にボケてたな…

いつもフィルから起きるからさ！ボケるの！」

「主殿？理解してたから悩んだんですよ！

寝ぼけなのか、ボケなのかを…」

「・・・俺も悩むところだな…突っ込みするか

寝ぼけとして無視するか…

じゃあ誰なんだ？あのボケたのは？」

「Zzzzzz・・・ブモ」

「「ブラッドか!?」」

俺とフィルはハモってしまった。

「主殿？担当違いますよね？私ですよね？

いつもなら先に仕掛けてますよね？」

「そうだな…自覚あるのが何とも言えないが…

確実に担当違うな！侍がZzzzzzって無いよな!?

しかも何？3つ目のVは？ブモオォのVかな？

ブモオォはBだろうがあ!!?」

「朝から騒がしいですね？先生？」

ヴァイスが俺の声に目が覚めたらしい。

「すまんな…ちょっとフィルとブラッドについてな？」

「おはようございます！ヴァイス殿！

ちょっと私の担当がブラッド殿に入ってるので

どうしようかと…」

「担当？何の話ですか？」

「「ボケと突っ込み!!」」

「・・・ハモりましたね？ここで来ますか…

で、ブラッドにボケが？」

「そうなんだよ！最初は俺の寝ぼけとボケの間を

悩ましてたんだが俺が起きてからな？

フィルがボケて完全に目が覚めたと思ったら

まさかのハモりでブラッドに突っ込みしたのよねぇ…」

「何故、最後お姉様言葉に？

ブラッドはどんなボケしてきたんですか？」

「Zzzzzz・・・」

「・・・何故Zzzzzz!?」

「分かったか…あれがな？

最初はフィルと思ったわけよ！担当だからな！

そしたらまさかのブラッド！そしてな・・・」

「Zzzzzz・・・B」

「「バリエーション増えた!?」」

「何？ブモオォはBって言ったからなのか？」

「分かりませんよ‼担当の私でも分かりません!!」

「・・・ボケ担当は理解してたの？

しかしBですか…ブモオォのBかな？」

「あれさ？俺達聞いたときVだったのよねぇ…

それがブモって言ったからさBだろうがって

突っ込みいれたのよねぇ…

そしたら順応しちゃってさ…」

「・・・何処からか入れば良いか分かりません…」

ヴァイスもお手上げしてしまった。

「起こしたら良いのでは？」

「そうなんだかな…悩むだろ？

このまま聞くかどうかさ！」

「私も気になったんですよね…

無自覚でのボケがどう反応するか…」

「・・・ストイックなのか分かりにくいですね？」

「レレレレレ・・・」

「「「Zからのレレレレレ!?」」」

「あれか？スマホの打ち間違いか？」

「その突っ込みは先生しか分かりませんよ！」

「そうだったな…すまない…分からなくなったからな…

この世界の突っ込みどうしたら分かりやすいか…」

「私も出来る限りのメタは入れてないですよ？」

「ごめんなさい…メタ分かりません…」

「フィル何故知ってる？」

「さぁ？頭に浮かびましたから！」

「「・・・どうすれば良い？」」

俺とヴァイスがハモってしまった。

「もういい！寝よう！夢にしてしまおう！」

「現実逃避ですね？お付き合いします！」

「僕も逃げます！では…」

3人はブラッドから逃げる為に夢に入った。

「お前らさ？騒ぎ起こして寝るなよ…」

ガデルが騒ぎで目が覚めて寝たのに突っ込んでしまった。

朝の騒ぎから時間が経ち食事の準備中が出来たので

全員が起きてリビングに向かった。

俺とヴァイス、フィルは何もみてないと

普通に飯を食べる。

ガデルが何か言いかけたが3人で睨み付け

喋らせなかった。それでいい。

ニバルの入口で何事も無かったように

ゾラム侯爵との別れの挨拶となる。

「昨日は夜遅くまで済まなかったね…

でもお陰で目が覚めたよ！欲に溺れかけてた！

だが君に教えられて気付けたから良かったよ！

それで反乱軍が収まるまでは情報源として

人として扱うよ！ありがとう！」

「人道から外れなければ問題ないですよ！

こちらこそ迷惑かけましたね？

でも道を外しそうなら駆けつけて今度は

徹底的にしますからそのつもりで！」

「そうならない事を心掛けるよ！

では、トキ君！アイサを頼むよ！

こちらはラグを護衛として依頼するからね！」

「了解です！お任せ下さい！

アイサさんの安全は確保しますよ！

ラグが居れば村の復興にも役立ちますから！

ではまた会いましょう！」

「あぁ！ありがとうな！また会おう！」

俺とゾラム侯爵は話し合いの結果、

ラグを護衛に、アイサをべラムに移送すると

話が決まった。メイドのシーサも一緒に。

荷物は既にストレージに入れてある。

「ではラベル様？行ってきます！」

「あぁ！里帰りを楽しんでな！」

夫婦の会話は短く済んだみたいだな。

こうして俺達はニバルから離れた。

「・・・ヴァイス？」

「・・・言わないで下さい…」

「・・・分かった！無視するとしよう…

では今からストレージからフィルに引かせる馬車を

だすからな？流石に俺達に合わせられないだろ？」

「そうですね…先生はいつの間に馬車を？」

「盗賊から人質送るときにな！

30近く居たから作って運んだんだ！」

「そうなんですね！お陰で安心出来ます！」

俺はストレージから馬車とフィルにつける馬具を出し

フィルに装着させてアイサ達を運ぶ。

ちなみに無視した内容はアイサが籠手を着けてたから。

「今回の帰りはゆったりして帰れそうだな！」

「そうですね？2日の距離をフィルなら

1日で行けますから大丈夫ですよ！」

「ルティ？そこから落ちるなよ？」

「キュイ！」

現在ルティは馬車の上で見張りしている。

馬車に全員が乗っておりフィルが走っている。

「関所の件はヴァイスにテストを受けさせるからな？

火の不始末だからちゃんと受けろよ？」

「・・・分かりました…」

関所の火の不始末の件はテストで許してやる。

何故その話が出たかといえば

関所に着いたからだ。見張りの人もいる。

ガデルが受けたループから抜けれたのだろう。

見張り達は連れ去られたのではなく

あいつのループで次元を切り離して生かされてた。

ループ中、飯はどうしたのだろう？

空かなかったのか？

そう思いながらヴァイスと見張りは再会に

花を咲かせて通り抜ける。

「これが？話に出てた・・・」

「アイサ様？ここまで精巧にしてるなんて・・・」

「ヴァイス？あれは何に驚いてるんだ？」

「う～ん…何でしょうね？精巧って事は・・・

あぁ!?思い出しました!橋を直した事にですね！

以前何で直したのか聞かれました！」

「ん？訳分からないな？壊れていたからだろ？

それ以外に直すなんてあるのか？」

「ないですね？僕も分からないです…」

「いや、壊れてたからで短期間で綺麗に彫刻まで施して

直した事に驚いてるんだ。無理だからな？

後、普通は直さないからな？業者に依頼するぞ！」

「そうなのか？ガデル？手に職ないと

冒険者引退した時困るぞ？金が無くなるからな？」

「そうですよ？ガデルさん！

日頃からが大切なんですから！

技術を持つことに意味があるんですからね？」

「そうだぞ！良いこと言ったな！ヴァイス！

ガデル？テストに出るぞ？覚えとけ！」

「ヴァイスは完全に毒されてるな…

技術は分からなくも無いけどな…」

アイサ達は以前よりもフィル達の彫刻まで彫られた

綺麗な橋を見て驚いていた。

前は普通の石橋。雑に出来ていた。

それが短期間で出来た事に、自分よりも若い

トキ達の技術に驚いていた。

「ここまで来たなら後は近くで野宿だな！

徹夜すれば朝にはべラムに着くけど

どうする？夕方だけど？」

「休みましょう！色々ありすぎて

頭と体を休ませないと…

アイサ様が橋を見てから固まってますから。

普通は馬車で休みながら2日の距離ですよ？

実際は何処かに泊まりますので3日です！

それがなんですか？フィルさんの速度速すぎです。

この馬車も良く壊れないし振動ないので驚きです！

休憩無しで2/3まで進んでなんなんですか？

そして最後にあの橋！知ってても驚き隠せないです！

なので確りと食事して横になり把握してから

寝ないと頭がおかしくなりそうです！」

「・・・シーサさんは突っ込み要員か…

常識持ってるからな…当たり前か？

異常なの分かってやってるしな！

このまま常識人でいて欲しいから休むか！

よし！フィル！開けた場所にログハウス置くから

探してくれ！そこで朝まで休む！」

「了解です！主殿！」

「休む理由がおかしいぞ？

まぁ魔物いる地域にテントでは厳しいからな！

ログハウスなら安心だろ！

あの小屋で寝てみたいしな！」

「お前も俺達に近くなってるからな？ガデル…」

メイドのシーサの言葉に冷静に考えて夜営をする。

ガデルが毒されかけてるから後少しだな？

フィルが馬車を引きながら開けた場所に着く。

そこにログハウスを設置して中で

夕食と各自部屋分けして休んだ。

一応見張りとしてブラッドとルティが外にいる。

ブラッドの寝言は聞きたくなかった。

ルティは知らないから寝言に驚くだろうが気にしない。

見張りだからな？隠れて見てお前ら寝てたら・・・

と脅してあるから大丈夫だと思いたい。

そんな面倒はするつもり無いので寝る。

午前中には着くだろうと考えてから寝た。

～～～～～～～～～～～～～～～

ある貴族の領地の建物の中。

黒髪の男と茶髪の男が

ソファーに座り対面していた。

「スカイ？進捗状況教えてくれ！」

「はい！王子！現在我が反乱軍は順調に進んでます！

予定の15の貴族の内、7の貴族の侵攻が完了してます！

3の貴族、ゾラム侯爵、ルード伯爵、ザラン男爵は

敗退しています。

ですが王国軍は予定の10より5の貴族にしか

救出出来ておらず、残りの5の貴族は孤立しています。

調査して3日後までに何も起きなければ侵攻し

反乱軍は勢力拡大するでしょう！

残りの貴族は王国に反乱軍に与していると流して、

残りの貴族にも助けが来ないと流し

不満を募らせる様にしてますので確定してますがね？」

「そうか！あの3の貴族は仕方無かろう…

他の貴族と違い、見る目を養ってる！

しかし思った以上に進んでいるな？

私達は20の貴族の反乱軍から始めて、

20の貴族いや5の貴族は早急に収めてるから

15の貴族か？その内7は取り3は負け、

王国は10の内5救出し5は孤立。

3日後には王国の5の貴族を取る。

43の貴族の3は露見して動かしてない！

つまり20対20が現在27対13。

3日後には32対8となりこちらが優勢と・・・

反乱直後だから時間を掛けてるが

2ヶ月後には完全に手中に収めて勢力に出来る。

そして王国軍と対決を行い反乱完了だな！

ワハハハハ!!勝ち戦とはこの事だな？」

「そうですね！早くて2ヶ月、最低3ヶ月が限度ですかね？

他国の動きがありますから気を付けないと…

本当は直ぐにが一番ですけど疲弊したまま

集めて戦うのは愚策ですからね！

養って英気をつけてからが始まりです！

あなたの手に敗北は似合わない！

似合うのは勝利そして復興です！

私達はその為に参謀として頭を使うんです！

作品は出来上がらないと作品ではない。

あなたは自分の手で勝利と復興の作品を

作ることに意味があり私達の願いでもあるのです！」

「そうだな…策を練り作り上げた反乱軍だ。

作品でもある。ならその作品を使い

新たな作品を作り上げないとな？

作品は道具でもある。槌や錐と同じだ。

使わなければ価値が無いのだ！

なら価値を与えてやろうではないか！

私の新たな作品を！理解されなくてもな？

芸術とは理解されなくても芸術なのだから！

未来に芸術として扱われるのだ！今ではない！

未来に芸術を残すために励むとしよう！

反乱と勝利の作品を残すために!!」

茶髪の男は高らかに宣言する。

目には影があり不自然な笑みを微笑んでいる。

黒髪の男も同様に微笑む。

邪悪が貼り付いた笑顔の仮面を被る。

反乱軍は3日後難なく王国の残りの貴族を取り込む。

8の貴族は抵抗しているが消耗激しく

2週間経つ頃には反乱軍に収まった。

これからは準備期間。制作時間だと王子は笑い

2ヶ月後の作品完成に向けて動き出した。

「さてと邪魔者は排除しないと・・・

俺の道具を壊したやつを探さないとね…

せっかく苦労して手にいれた玩具が無くなるとはね？

レアな玩具だったのに残念だよ…

ニバルからの敗走者の言葉に牢獄…気になるね…

情報集めないと…誰にするか…

決めた！あの3人にしよう！

抵抗は無駄なのにMな奴等にはあってる。

早速、動かさないとね？何処だったかな？」

黒髪の男が会談した領地とは違う領地に出向き

地下へと潜っていく。

「ガアァァァァ!!」

「キャァァァァ!!」

「ヴぅぅぅぅぅ!!」

男は牢屋の騒がしい一画に着く。

牢屋にはそれぞれ枷に繋がれた2男１女の3人。

尋常ではない高熱を放ち鉄柵に熱が伝わる。

三者三様の呻きをあげていた。

「まだしてたの？好きだね？痛みを好むなんてね？

そんな君達に仕事をしてもらおうかな？

痛みが来ないから嬉しくない？もっと虐めて欲しい？

大丈夫だよ？外れない痛みをずっと与えてやるよ！

安心して喜んでね？嬉しそうに見るなよ！」

3人は男を睨んでいる。殺してやりたいと…

「仕事はね？僕のレアな玩具を壊した人の調査！

そして排除だよ？理解したかな？

2度は言わないよ？褒美は与えるけどね！

最高の痛みをね？抵抗がまさかの褒美とはね…

僕もドン引きだよ？さて今から行動開始だよ！

僕の事言えないし、知ってても話させないよ？

その枷があればね？知ってるよね？

身を持って経験してご褒美として受けてるんだからね！

あぁ気持ち悪い！では頑張ってねえ！

では人間ロケットォ！準備スタート!!」

男は手を振り笑顔で送り出す。

3人は牢屋から地面に落とされて筒に入る。

足元がカチっとなると牢屋の天井が開き

空が見える。晴天だ。

「では行くよー！3、2、１、はっしゃー!!」

男が壁のボタンを押すと3人が空へと打ち出された。

全員がニバルに向けて飛ばされる。

3人の死のスカイダイビングが始まる。

黒髪の男スカイが刺客を差し向けた。

反乱の邪魔者と破壊した玩具の仕返しに・・・