第18話街べラムー3

「・・・と言う事なんですよ!」


悪党の捕縛姿を見せる為


馬車の右側の森付近へ移動して


俺は全員に出任せ事情を話し


フィルとルティについても伝える。


現在の位置として街を前に


森、悪党、馬車と並び悪党の後方で


俺達と助けた人達がいる。




「とりあえずありがとうで良いのかな?


私はラジュマ王国のスーサ=クリプス


あの街を治めてる者だ!貴族で


辺境伯の爵位を受けている」


・・・ハハハ貴族かよ…




「ため口を使いすいません…」




「ハハハ!問題ないよ!


公式の場所じゃないから!


しかも助けて貰って恩を仇で


返すほど腐って無いからね!」


・・・気さくな人だな、この人




「しかし隣の領地のゾラム侯爵と


娘の結婚式からの帰りに襲撃受けるとはね…


最初は息子とメリアだけでも助けないと


って思ってたら馬車ごと飛ばされて


意識を失うなんてね・・・


歳をとってしまったかな?」


見た目30代前半の金髪ショートの貴族は


歳について話す。




「いや・・・知らないですよ…」


「主殿!」「キュイ!」


「ハハハ!君、貴族に対してすごいね!


普通はああなるのに!」


クリプス辺境伯が左に顔を向けると


護衛達が強張っていた。


護衛の目はこの不敬者がと語ってる。




「まぁ…この際本心を言いますと


貴族と無縁の生活してましたからね


浮浪者のような俺が今さら


貴族と関わるとは思ってなかったですよ


先生以外の人と多く話したのは


クリプス様が初めてですよ?」


・・・この世界ではだが


・・・普段フィルとルティと一緒だし




「貴様!!スーサ様になんて無礼を!!!」


護衛の1人が声を荒げて叫ぶ。


全身から赤と黒の煙?を出す。


誰にも見えて無いように…


なんだろうあれ?


森では見たことないな・・・




・・・それでもどこに無礼があった?


本心を話したから?


クリプスさんに爵位を加えなかったからか?


分からない。


考えてると無視されたと思ったのか


護衛の1人が剣を抜こうとするが


クリプス辺境伯に手を前に置かれ止まる。




「すまない…うちの者が無礼を…


赦してもらえるかな?」


「問題無いですよ!


クリプス辺境伯を思っての行動でしょうから!


良い家臣をお持ちですね!」


俺は気にしないと伝える。辺境伯を忘れずに。


しかし護衛の赤と黒い煙は消えない。


その中に紫が混ざる。


なんだろうなあれ?初めて見る。


この世界では当たり前なのか?




「しかしクリプス辺境伯!この者は…」


「あのですね?ドド君!


もし抜いたら彼は黙ってないし


後ろのフィル君とルティ君かな?


あの2匹も黙ってないよ?」


「しかし魔物ですよ?私達が


力をあわ「ドドくん?」すいません」


上司に言われて渋々引き下がる。




「あのですねドド君?その忠誠心は


素晴らしく崇高なものだ!


誇っても良い!しかし君はそれを


自ら棄てている。自分の顔を見ると良い!」




クリプス辺境伯は鞄から手持ち鏡を取り出し


ドドに鏡面を見せる。


ドドの顔には恐怖と怒り、嫉妬に満ちた顔が


次々に鏡に映し出されている。


ドドは驚く…こんな顔をしている事に。


周囲からは怒ってる顔にしか見えない。


・・・何が映ってるんだろ?




「ドドくんは今


黒い感情に体を預けようとしている。


自分が出来なかった事を成し遂げられた!


上司に不敬を与えた者が前にいる!


目の前に危険な魔物がいる!


感情が前に出過ぎており判断が短略している!」


クリプス辺境伯はドドの心情を口に出す。




「感情を抑えるのは簡単だが難しい!


しかし改めて考えて直して欲しい!


私達がする事を!今すべき事を!


そして考えて欲しい…


また子供達に血を見せるのか?」


クリプス辺境伯の後ろに隠れてる


男の子が怯えていた。




ドドはクリプス辺境伯の言葉に目を閉じ


考え直して「すいませんでした!」と


剣から手を離して一歩引く。


赤と黒とすこしの紫の煙が消える。




・・・あの煙は人の感情の色か…


赤は怒り、黒は恐怖・嫉妬、紫は欲かな?


森では見なかったな・・・


気にしないようにしよう。




しかしクリプスさん凄いな・・・


咄嗟にドドの感情察して説得して戦闘回避…


森なら即戦闘だな!俺も気を付けよう。




「部下が再度、無礼と不遜な考えをして


本当に申し訳ない…」


頭下げようするがクリプス辺境伯を


俺は急いで止めさせる。




「頭を下げないでください!

クリプス辺境伯!


仕事熱心ではないですかドドさんは!


主人の不安要素を取り除こうとして


その上・・・あぁ歩きながらすいませんね…


クリプスさんとお子さん、ドドさんも


その場で直ぐしゃがんでくださいね!


ルティ頼むよ!」


「トキ君?何を・・・んっ!全員しゃがめ!!!」


森の中から大量の矢と火の玉が飛んで来る。


その前に俺とフィルは森側に移動し


俺はクリプス辺境伯の集団側へ


フィルは悪党の森側に立つ。


風魔法で下方へ向く風壁を作り守る。




「大丈夫ですか?クリプスさん?皆さんも?


通した物はないと思いますけど・・・」


「あぁ・・・全員大丈夫だ…


しゃがんだ時に転けて擦り傷を作った者が


いるだけだ…」「主殿、こっちも大丈夫です!」


スーサ辺境伯とフィルの声を聞いて安心する。




ドン!ドン!ドドドン!


森から大きな音が聞こえる。


森の手前の木上からルティがヒョイっと跳んでくる。


無事ルティも終わったようだ。




「トキ君?今のは・・・」


「あぁ…残党が攻撃したみたいですね!


気配でバレバレでしたし


何もしなけりゃ手を出さなかったんですけど


仲間の捕縛姿を見てなのか殺気出して


結果はこの通りです!


残党も片付け終わった見たいなので


捕縛してきますね!フィルここを頼むよ!」


「了解です!主殿!」




俺はルティと残党を捕縛しに森に入った。


クリプス辺境伯達は地面でポカンとしてると


フィルが悪党の前から両集団の間へ移動する。


移動したのを見てスーサ辺境伯は立ち上がり


フィルに話し掛ける。




「君達は凄いね…気配に気づくなんて…


しかも魔法まで使えてしかも無詠唱で…」


「魔法が使えるから魔物では?」


「・・・そうなんだけど…


・・・そうじゃないような…」


フィルの答えに納得しないのか唸る。


唸ってると捕縛した残党を牽きながら


頭にルティを乗せてトキが現れる。




「捕縛してきましたよ!クリプス辺境伯!


全員動ける事だし街へ向かいましょうか!


そっちのほうがまだ安全ですよ?」


「キュイ!キュイ!」


可愛らしくルティも鳴いて同意する。


「そうだな・・・よし!皆急いで


各自準備してベラルヘ帰ろう!!


トキ君も護衛頼めるかな?


報酬出すから指定依頼としてね!


護衛も少なくなったし・・・」


「良いですよ!俺も街に向かう予定でしたし


依頼受けますよ!!」




クリプス辺境伯の言葉に全員立ち上がり


各自準備を行う。


悪党は馬車の後ろに繋がれて強制連行。


クリプス辺境伯と子供とメイドは馬車へ


護衛は周囲に配置し俺達は


フィルを馬車の後方へ、俺は好意で馬車の中、


ルティは気に入ったのか馬車の上に


それぞれ配置し出発した。




配置途中でフィルから質問される。


「さっきクリプスさんから魔法使えて凄いねと


言われて魔法が使えるから魔物では?と


質問返したら唸ったんですけど違うのですか?」




「・・・そうだと思うけど、どうなんだろな?


よく考えたら魔物の基準なんて考えた事ないし…


動物よりも異常な力を持つ生き物が魔物って


聞いた事あるから魔法の有無は


関係ないんじゃないか?基準として!」


「そうですか・・・分かりました!主殿!」




とりあえず聞いた事のある知識でフィルに


答えたが俺も分かってないので


馬車の中で考えてしまった・・・

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