第30話「VS白焔(後編)」


 カーン! と、コングが高らかになったと同時に、炎の柱が収縮。

 やっぱり、言った通りになった。爆発だ。白焔はここを壊す気でやるみたいだ。

 私は後ろへ跳ぶ。

 浮遊感に酔いしれる間はない。

 蒼い炎がぐわっと私に迫りくる。

 右ひじでかじを切り、左手でバリアを形成。津波のごとく押し寄せた炎をこれで受け止める。壁に激突して、頭を打って気絶しないよう、すぐさま背中に右手を回してバリアを張る。

 炎が一気に私を隅に押し込む。


「ぐぅ……」


 背中にバリアを張っていたおかげで、壁にたたきつけられずに済んだ。

 この衝撃を利用して、隅に行けばよかったと悔やむ間はない。荒波のごとく迫る炎が、私を押しつぶそうとしてくる。片手だけじゃだめで、両手でバリアを張っていないと呑まれてしまう。

 圧がすさまじい。

 この炎の瀑布、耐えるのだけで精いっぱいだ。最大出力で対応をしているけど、ヤバい。一気に最大出力で衝撃波を出しているせいで、ガントレットがはじけ飛んだ。腕がぴしぴし言っている。震える腕は赤く腫れあがってきた。


「ぐぅぅぅぅぅ……あぁぁぁぁぁああああああ!」


 うなりながら、10秒間。私は耐えた。

 白焔の攻撃を何とか、耐えた。この全方位攻撃を耐えきり、格技場中央に目をやると、肩で息をしている白焔の姿があった。

 今がチャンスだ。


「うおおおおおおおおお!」


 両腕が悲鳴を上げており、衝撃波を撃てない。

 全力で突っ走って、白焔を殴りに行く。


「うおりゃあ!」


 白焔の右頬へ思いっきり拳をたたきこむ。

 会心の一発だ。

 バッチン! と、鈍い音がした後、白焔は5メートル吹き飛んだ。そのまま地面に突っ伏して、ピクリとも動かない。


「はぁはぁ……」


 両腕が震えている。痙攣が止まらない。

 今、気が付いたけど腕に疼痛が走っている。腕が酷い筋肉痛になったみたいだ。動悸がして、息が切れている。肩で、なんとか息してる。バケツの水をかけられたみたいに、全身汗だく。ちょっと、目が霞んでいる。

 たった10秒間、最大出力でバリアを張っただけなのに。こんなに辛いとは思わなかった。

 白焔さんは横たわったまま。


「「白焔、戦闘員不能。この模擬戦闘の勝者はショックウェーブとする。繰り返すーー」」


 アナウンス。

 私の勝ちということが宣言された。

 実感が沸いていないけど、模擬戦闘が終わって、安堵していた。

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