2-12「試練は命懸け!?」
扉より先は少し歩くと下へ向かう階段になっていた。階段は広さを見ると1人しか通れないだろう、並ぶ必要がありそうだ。これまでの洞窟と比べると風もほとんど通らないのでジメジメしている。
滑りやすい可能性もあるので彼女の前を歩いて階段を下っていきしばらくすると階段は終わり左手側に大きな入り口がみえた。
決意して入り口を通り進む。左右の壁は狭く人1人がギリギリ通れるほどで手を思い切り伸ばせば壁に手が届きそうだった。しかし、ここはすでに仕掛け人の術中なのだ!壁に触るとうっかり罠が起動してしまうこともあり得るため慎重に生きたい。
歩くこと数分、最初のスライムが住んでいる洞窟ほどの広さの場所についた。違うのは向こう側にも通路が続いていることと道幅4メートル以外は崖になっていて踏み外したら崖に落ちてしまう点だ。………いや、もう一つ違いがある。真ん中になにかがある。
「トーハさん、あれって………」
「みないほうが良い!どうやら王様は容赦ないみたいだ。」
咄嗟に彼女の目を塞ぎたい気持ちになったがこの身体では届かない。真ん中にあったのは奇跡的に左右の崖から落ちるのを免れたのだろう、すさまじい存在感を放つ物体………白骨化された死体だった。
「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
思わず尻をついて声を出した彼女の悲鳴が洞窟内に響く。よくみると中途半端に衣服のようなものの原型と所々矢が刺さっているのみえる。彼女がいなかったらあまりの光景に俺が思わず声をあげていただろう。
何でこんなところに死体が………敵は?………所々に矢?弓兵が何人か待ち構えて?いや、だとしたらあそこにまとまって死体があるのはおかしい!あの位置になにかがあるのだろうか?
「大丈夫?」
「はい………すみませんでした。」
「いや、君がいなかったら俺が声を出してたと思う。」
落ち着いた彼女に正直な感想を述べる。でもこれだけの彼女の声で敵の気配が一切しないのをみると………まさか。
俺は辺りに転がっていた大きめな石を拾い死体のすぐ横に投げた。
すると広間のあちこちの壁がスライドして開き次々と矢が放たれる。たちまち死体が矢を受けさらに崩れる。
「………本気で殺しに来てるね。」
俺は思わずつぶやいた。
それから1メートル間隔で石を投げて確認するとどうやら真ん中から幅2メートルの位置にスイッチがあるようだ。
走り幅跳びをすれば越えられるかもしれないが落ちてしまう危険性もある。
………どうしたものか?俺は首をかしげた。
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