第6話  娘となった君へ

翌日、僕はおばさんに案内されて、咲さんのお墓参りをした。

そして、昨日の事を報告した。


自分の近況報告をして、また来るねといい、その場をさった。


≪ありがとう。待ってるね≫


咲さんの声がしたが、空耳ではないだろう。

そう、信じたい。


後、母と祖母の墓参りもしておいた。

誰も来なかったのか、雑草で生い茂っていたが、

出来る限り、奇麗に掃除をした。


数年後、僕は結婚した。

馴れ初めは、取材で知り合った編集の女の子。


時間はかかったが、意気投合して、ゴールインした。

そして、2年後女の子が生まれた。


奥さんは言った。

「名前、考えてくれた」

僕は、即答で答えた。

「咲」と・・・


いくつもの花を咲かせる事の出来るような子に育つようにと・・・


咲さんの、遺言のビデオテープは、頂くことができた。

もう、観る事はないだろう。


でも、娘の咲が、大きくなったら一緒に観ようと思う。


それまでは、閉まっておこう。

思い出と、共に・・・

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あの日のお守り 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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