一章 バー黒猫

01


「……もう五時か」

 遠くから鐘の音が聞こえ、アメリアは窓から白い大時計を見上げた。

 街の中央にある白い大時計は、この街のシンボルだ。この鐘が鳴ると、ヴェルゼ五番街は少し騒がしくなる。一番街にある商店街と違って、五番街の店は夜の営業が本番である。アメリアが居候する『バー黒猫』も五番街に店を構えており、店を開ける準備をしていた。

 女店主であるジェシカが切り盛りをするこのバーは、ヴェルゼの街でも有名なバーだ。彼女は都の元舞台女優で、一位二位を争うほどの人気だったらしく今でも都から彼女のファンが来るほどだ。しかし、店名に『黒猫』と入っているせいか不吉なものを連想してしまう人も多く、新しいお客は少ない。新しい人のほとんどが、常連さんが連れてきた友人や知人だ。そもそもこの店名にしたのは、地域によって幸運を運ぶとも言われているのを知っていたからだ。彼女は幸運の方をあやかり、新規のお客は少ないものの、店はそれなりに繁盛している。

 開店準備をしているうちに、外は徐々に暗くなり窓ガラスが鏡のように反射する。アメジストのような紫色の瞳は、紫色の髪をした少女を映していた。肩までまっすぐ伸びた髪は、この国では珍しい紫色。肌は黄色で、少し垂れ下がった瞳は、深い紫色をしていた。容姿は平凡そのものだとアメリアは思うのだが、異国出身の自分は人目を惹くもののようだ。元々、この国の人間は地域によって色とりどりの髪色をしているが紫色だけはいないらしい。不思議な話だ。

 その窓ガラスの奥に人影が見え、アメリアは振り向いた。

「アメリア、メニューの看板を外に出してきてくれない?」

 緑色の髪は背中まで伸び、緩くウェーブがかかっている。その髪はまるで風に揺れる草原にも見えた。少し切れ長でエメラルド色の瞳は宝石のように綺麗だ。元々整った顔立ちをしていたが、ばっちり化粧を施されており隙が全く無い。

 彼女が『バー黒猫』の店主、ジェシカだ。舞台女優を辞めて五年経ったが、その美貌びぼうは衰えるどころか日に日に増している。

 彼女は奥から黒板を取り出し、アメリアに言う。

「これ、黒板ね。今日は特に寒いから、上着を着るのよ?」

「はーい!」

 アメリアはマントを着て、彼女から今日のメニューが書いてある黒板を受け取る。

「そう言えば、クロはまだいないの?」

 アメリアは周りを見ながら、もう一人の従業員の名前を出す。

 クロとはアメリアと同じくここに居候だ。彼は時々たが、給仕の手伝いをしてくれる。

 気まぐれな性格で普段は昼間も夜も出かけてしまうが、今日は店に出ると言っていたので早く帰ってくるはずだ。

「そう言えば、あの子まだ帰って来てないわね」

 彼女は掛け時計を見て言う。

 この店の開店は六時だ。開店までもう一時間は切っている。

 彼と幼馴染の彼女は「仕方ない子ねぇ」とため息を吐いてから言った。

「でも、あの子は約束だけは守る子だからね。それにもうじき夜だし、そろそろ帰って来るんじゃないかしら?」

 ジェシカは窓から見える沈みかかっている太陽を眺めていると、奥の厨房から男が顔を出した。

「ジェシカさーん、味見お願いしまーす」

 調理担当のレイシーだった。アメリアと同様にこの店で居候しながら働いている。男にしてはやや華奢な体格、オレンジ色の髪は長く、首の後ろでまとめられている。海のような藍色あいいろの目は細く、穏やかに笑っているように見える。

「はーい。それじゃ、アメリア。黒板お願いね」

「はい!」

 アメリアは黒板を持って外に出た。外はもう薄暗くなり、冷たい風がアメリアの薄紫色の髪を揺らす。

「う~…………寒い」

 もうすぐ春だというのに、吹いてくる風は頬を突き刺すような冷たさだ。アメリアのマントはフードの部分が分厚く、そのおかげで背中は温かくできている。それでも今日は特別寒かった。

 アメリアは指定の場所に黒板を下げると、すぐには中に戻らずに、寒くて両手を擦り合わせながら中央の大時計を眺めた。

 この五番街の端っこにある店からでも大時計はよく見える。沈みかかった太陽の陽に照らされ、どこか寂しげに佇んでいた。

「早く帰って来ないかな…………」

 また風に吹かれてアメリアは小さく震える。

 そのまま大時計を眺めていると、太陽はさらに沈み、空は藍色へと変わっていった。空に一番星が輝き出した時、大時計の方向から一匹の猫が歩いてきた。

 それは金色の目をした黒猫だ。その猫はまだ若く痩身で、短い毛は毛並がよく光沢がある。細い尻尾を高く上げてこちらに向かってくる。

 その猫の姿を見て、アメリアの表情がぱぁっと明るくなった。

 太陽が沈みきったその時、猫の姿は一瞬にして黒いコートを着た青年の姿へと変わった。

 黒い髪に丸い金色の瞳、全身黒ずくめでどこか気怠けだるそうな雰囲気をしている。

 青年は、金色の瞳でアメリアを捉えると、こちらに手を振った。アメリアは彼に近づく。

「おかえり、クロ!」

「ただいま、アメリア」

 青年、クロノスは黒髪の頭をきながらそう言った。

 クロと呼ばれた青年、クロノスには少々困った事情があった。

 それは自身にかかった呪いだった。

 彼は四年前まで掃除屋という魔物駆除の仕事をしていた。人に害をす魔物を駆除して賞金を得る職業だ。クロノスは現役時代に呪いを掛けられたせいで、昼間は猫の姿になってしまうのだ。掃除屋の中には、クロノスのように魔物に呪いを掛けられる人も少なくはない。現役を退いた後は、アメリアと一緒にジェシカの店に居候をしていた。

「もう、遅いよ!」

 アメリアがそう言って頬を膨らませると、クロノスは少し困った顔をして彼女をなだめる。

「悪い悪い。でも聞いてくれよ。これにはちょっと訳があってだな…………」

「わけ?」

 アメリアが怪訝な顔をしていうと、彼は頷きながら訳を話し始めた。

 昼間、彼は木の上でずっと昼寝していたのだ。今日は久しぶりに店を手伝う約束をしていたので、遠出はせずに三番街にいたのだ。三番街は住居区だ。昼間は静かなので昼寝にもってこいのところだ。枝の太い木を見つけて、気持ち良く寝ていたが平穏は長く続かなかった。昼寝の途中で、街の子ども達がクロノスに向かってが石投げて来たのだ。

「まったく、人を猫だと思って悪戯してきやがって…………ムカついたからちょちょいとでからかってやったわ」

「え、何したの⁉」

 彼は魔法を使える。この国では魔法使いという職業があるので、単純に魔法を使える人間を魔法使いとは言わない。

「簡単だ。幻術でガキどもの母親の姿を見せて、怒鳴り散らしながら追いかけたんだよ」

 石を投げつけられた後、すぐに茂みに逃げ込んだらしい。これで子ども達が諦めてどこかに行けば、クロノスも何もしなかった。しかし、子ども達はあろうことか逃げ込んだ茂みにも石を投げてきたらしい。

 さすがに頭にきたクロノスは、子ども達に自分を母親の姿に見えるように魔法をかけ、茂みから登場。その子ども達は突然の母親の登場に酷く困惑したそうだ。

 顔を俯かせ気味に登場し、母親の顔を上げる。その母親の顔を見て、彼らは悲鳴を上げた。それもそのはず、母親の頭には角が二本、そして口から大きな牙がむき出しになっていた。さらに、口は目元まで裂けており、充血した目からは血の涙を流していたのだ。

 彼曰く、母親の顔を東洋の『ハンニャ』という魔物の顔に変えたとのこと。

 母親が鬼の顔へと変貌へんぼうしたことに驚いた彼らに向かって、クロノスはこう言った。

『このクソガキィイイイイイイ‼ 神の御使みつかいである黒猫様に石を投げつけおって、この罰当ばちあたりがァアアアアアアアアア‼』

 そして、その文字通り鬼のような形相ぎょうそうで『償いに貴様らの肉と骨を持て余すことなく料理に使って黒猫様に献上けんじょうしてやる! 今夜は御馳走ごちそうじゃァアアアアアアア! うひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ‼』と言いながら泣き叫んで逃げる子どもたちを街中を追いかけ回したらしい。

「…………すげぇ楽しかった」

 彼は可笑しくて肩を震わせながら語る。

 さっきまで調子に乗っていた悪ガキどもが、泣き叫びながら逃げるのだ。昔、近所のガキ大将を負かした時くらい、もう気分爽快だったらしい。

 はたから見れば、子ども達が黒猫から逃げている光景にしか見えない。しかし、子ども達にとっては化け物と化した母親に追いかけられているのだ。それはさぞかし怖かっただろう。

「あの後、あのクソガキどもの様子を家まで見に行ったんだが、母親を見て目を白黒させてやんの。いい気味だぜ」

 クロノスは子ども達の姿を思い出したのだろう。口元を手で隠しながら声を押さえて笑っていた。

 そりゃ、さっきまで追いかけ回してきて、今晩の料理の材料にしてやると言われたのだ。その母親が、家に帰ったら何事もなかったかのように出迎えたら驚きもするだろう。

「そんなことしてて遅れたの?」

(それに子どもにいじめられた仕返しで魔法を使うなんて…………)

 呆れてため息をついていたアメリアに彼は言った。

「そんなことって…………いいか、アメリア。地域の大人が一丸となって子どもを育てることは大事なことだ。オレは悪役をみずから買って出て、子どもたちにか弱い子猫をいじめてはいけませんよって体を張って教えてやったんだぞ?」

 彼は真面目な顔でそう言った後、「オレ、すげぇ地域貢献してる。ちょー偉い」と自画自賛する。

屁理屈へりくつ言わないでよ。ただ仕返しがしたかっただけでしょ」

 子どもをクソガキとか、幻術で化かして楽しかったとか気分爽快だったとか。そう言っている時点で、アメリアはそのもっともらしい意見に賛同は出来ない。

「そうともいう」

 クロノスはアメリアの言葉を肯定し、クックックと声を押さえて笑った。

「もう、猫の時は使わないんじゃなかったの?」

 そもそもクロノスが魔法を使える事は『バー黒猫』で働く者以外誰も知らない。ほかにこの街に魔法を使える人はたった一人しかいないので、猫に化かされたと勘違いをしているだろう。

「別にいいだろ。オレが使ったことがばれてなけりゃいいんだよ」

 その言葉を聞いて、アメリアはますます呆れた。

(…………クロってば、本当に大人気おとなげない)

「ところで、今日のメニューはなんだ?」

 彼はメニューが書いてある黒板をのぞき込む。

 彼とアメリアが並ぶと、それほど身長に差がない。彼が屈むとアメリアの方が少し背が高くなる。

「うげっ……カルパッチョかよ。オレ、サーモンは好きだけど、一緒についている玉ねぎが嫌いなんだよなぁ…………」

 ベッと舌を出しながら彼はうんざりとした顔をする。

 彼はアメリアより二つ上だが、時々彼が年下に見えてしまい思わず笑う。

「クロってネギとか嫌いだよね」

「まぁな。あのぬるっとした舌触りといい、鼻を突き刺す匂いといい、味といい…………あれが体にいいなんて思えないね」

 匂いを嗅ぐのも見るのも嫌いだと彼ははっきり言い切る。

「でも、お店には出るんでしょ?」

「…………あぁ、出るぞ。そのために早く帰ってきたしな」

 彼はそう言うと、小さなくしゃみを一つする。

「あー、寒い…………早く、中に入ろうぜ」

 彼はコートの上から腕を擦る。

 彼は寒さに弱い。アメリアよりも厚着をしているのに、まだ寒いようだ。

 二人は店内に入ると、ジェシカが暖炉だんろに火を入れようとまきの準備をしていた。

「あら、クロノス。おかえりなさい、遅かったわね」

「おう、ちょっと色々あってな」

 そのちょっとの出来事をジェシカには語らずに、暖炉のそばによる。

「早く火ぃつけてくれよ! 寒くて死にそう……! は、はっくしょいっ!」

 盛大なくしゃみをして鼻をすする彼を見て、ジェシカが呆れた様に言った。

「アンタ、本当に寒がりねぇ……こんな厚着してるのに」

 彼はコートにマフラー、手袋までしている。それでも、彼は寒くて腕をさする。

「うるせぇな。お前ら女と違って皮下脂肪がねぇんだよ。アメリア、お前のマント貸してくれよ。寒くて死にそう…………」

 彼は震えながらアメリアのマントをつかむと、ジェシカは彼の頭を叩いた。

「いてっ!」

「女の子から上着をはぎ取るんじゃないの」

 クロノスは叩かれた頭を擦りながら舌打ちをする。

「…………わかったよ、暖炉で我慢するよ。ったく…………」

 彼はぶさくさ言いながら、指をパチンと弾いた。

 すると、一瞬で暖炉に火が灯り、彼は火に手をかざす。

「あー、火力足らねぇな…………薪、追加」

 再び、指を弾くとそばに置いてあった薪が宙に浮き、暖炉の中に入っていく。彼は簡単な魔法なら呪文無しでこのようなことが出来る。

 それを見たジェシカはため息を吐いたあと、クロノスの頭に拳を落とした。

「ものぐさしないのっ!」

「いってぇえええええ!」

 ゴツンと鈍い音がし、クロノスがあまりの痛みに頭を押さえてうずくまる。

「お前! 今、本気で殴ったろ!」

「当たり前でしょっ! アンタが魔法を使う所は見られちゃいけないのよ‼」

 この国、エンドシェールでは城に申請を出さないと魔法を使ってはいけないことになっている。それは先王が魔法で呪い殺されかけたことがあり、無暗に魔法を使わせないためだった。それで国に申請を出さずに魔法を使うと罰せられてしまうのだ。しかし、クロノスはそれを知っていても申請を出していなかった。

「あー、はいはい。そうでしたね」

 クロノスはねた子どものように言い、暖炉に当たった。

「そうそう、クロノス。外掃いてきてきてよ」

 ジェシカが奥からほうきを持ってきてクロノスの前に出した。

「はぁ⁉ ふざけんなよ、さっき寒くて死ぬっていったばかりだろ! オレを殺す気か⁉」

 もうすぐ春だとはいえ、まだまだ外は寒い。寒がりの彼にとって酷な話だ。

「男でしょ! ぐちぐち言わないの!」

 ジェシカは「ほらっ!」とクロノスに差し出すと、彼は何か言おうと開きかけた口を閉じた。そして、ひったくるようにして箒を受け取る。

「ジェシカの鬼ババ!」

 クロノスは泣き真似をしながら子どものような捨て台詞を吐いて外に出ていく。

 その後ろ姿を見送ったアメリアは苦笑する。

「クロ、大丈夫かな?」

「大丈夫よ、コートとマフラーだってしてるんだから。いくら寒がりでも店の前で凍死なんてしないわよ」

 ジェシカはそう言うと、奥の厨房に入っていく。

 それを見計らったのか、それとも偶然か、彼はドアを勢いよく開けて戻ってきた。

「さ…………寒い…………死ぬ! 凍えて死ぬ‼」

 ガクガクと震えながら、彼は大きなくしゃみをする。さすがに可哀そうになったアメリアは自分が着ていたマントを差し出した。

「クロ、私の着る?」

「お…………おう、サンキュー…………」

 アメリアのマントと受け取ると、彼はためらいもなく、コートの上からマントを羽織る。

「やっぱこれいいわー。ぬくぬくい…………素材が違うんだよな、素材が……は、はっくしょ‼」

 彼は盛大なくしゃみをしながら女物のマントを身につけて表へ出ていく。

 しばらくすると、外から騒がしい声が聞こえた。

「ギャハハハハハハハハハハッ‼ なんだ、クロノス! 久々に見たと思ったら女物のマントなんか着て! 女装にでも目覚めたのか?」

「うるせぇぞ、この酔っ払い‼ お前、もう出来上がってるってことは昼間から飲んでただろ⁉ 頭から水ぶっ掛けて目ぇ覚まさせてやろうか⁉」

 どうやら、常連の客が来たらしい。時計を見ると、もうすでに六時を回っていた。

 声を聞いて奥からやってきたジェシカが、外のやり取りを聞いて肩をすくめる。

「アメリア、マント貸したの?」

「うん」

「おい、アメリア! ジェシカ! 客だ、客! んでもってコイツをどうにかしろ!」

 クロノスが酔っぱらって顔を真っ赤にした男を羽交はがい絞めして入ってくる。しかし、男の方はそんなことを気にせずに豪快ごうかいに笑っていた。

「ギャハハハハハハ! 男色家ならいい店紹介するぞ、クロノス!」

「てめぇは黙ってろ‼ アメリア、水!」

「う、うんっ!」

 アメリアはお冷を持って戻ってきて、客に出すと、その水を一気に飲み干していた。

「ご注文は?」

 アメリアが聞くと、笑顔で答える。

「アメリアちゃんで!」

「ここは娼館しょうかんじゃねーよ」

 クロノスはそう言うと、容赦ようしゃなく客の頭を叩いた。

 客は叩かれた頭を擦りながら、クロノスの方に向く。

「なんだ、クロノス。今日はやけに突っかかってくるな。ジェシカにこんなこと言っても何も言わないくせに」

「うるせぇ、この酔っ払い。うら若き乙女とババアを一緒にすんじゃねーよ。婚期を逃しかけてるジェシカは別にいいが、アメリアのお持ち帰りだけは許さんからな」

 クロノスがはっきり言い切った後、ふと何かを感じとって動かなくなる。

「…………ちょっと、クロノス。それ……どういうこと?」

 ジェシカは満面の笑みと額に大きな青筋を浮かべてクロノスに言う。

「誰がババアですって?」

 彼女の背後から地鳴りに似た音が聞こえてくるような気がした。あまりの迫力に客もアメリアも飲まれる。

 クロノスもさすがにまずいと感じ取り、ジェシカから顔をそむける。

「……ナ、ナンデモナイデス」

「よろしい…………それでは、ご注文は?」

 元舞台女優の笑顔で、ジェシカはお客に振り向く。

 酔っぱらっていた客はすっかり酔いがめたようで、赤かった顔は青に変わっていた。

「か…………カルパッチョで」

「はい。レイシー、カルパッチョよろしくー」

 ジェシカが注文を言いに、奥の厨房に消えていく。

 それを見送った三人は安堵を漏らす。

「おい、クロノス。お前のせいで酔いが醒めちまったぜ」

「知るかよ。よかったじゃねぇか、酔いが醒めて。つか、お前が…………!」

 クロノスがまたお客に噛みつこうとした時、新しいお客が店に入って来る。

「いらっしゃいませー!」

「おう、アメリアちゃん。今日もかわいいね!」

「今日はクロノスもいるのか。…………って、なんで、お前女物のマント着てんだ?」

 やはり、マントの事を指摘され、クロノスは顔を真っ赤にする。

「うるせぇ、ほっとけ! バーカ! ヴァーーカ‼」

 店内にクロノスの声が響き、彼の頭にジェシカの拳が落ちたのは言うまでもない。


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