第27話

吉永がリナを連れて真っ直ぐ歩く。   「どこなの?」             「あの、もう少し先。」         リナはそう言った。そのまま歩く。何処だったっけ?確かここら辺にあった筈だけど…。そのままもう少し歩く。アッ、あった!此処だよ。リナはヨタヨタしながらも、入り口に入った。吉永が後ろに立っている。何だ、 これは?ラブホテルじゃないか。     リナは吉永が驚き呆れているのは分かったが、だからといって今更引き返すなんてできない。もう疲れた、横になりたい。急いで入り口の所にあるパネルの一つを選び、押した。フロントに近づく。吉永は悩んでいる様だが、リナがどんどん行動をするから、付いて来た。                そして、部屋に着く。あ~、疲れた!リナはバッグを近くにあった椅子ヘ放り投げると、靴を脱ぐ。               吉永は離れて立っている。結局、リナが泊まりだと言い、財布を出そうとしていたので、吉永がお金を払った。          リナは上衣を脱いだ後、少し気にしながらも、思い切ってジーパンを脱いだ。履いて いたら気持良く寝られないもの…。その様子を見て吉永は大変に驚いている様だ。   パッと見たが、直ぐに目を反らした。リナはシャツのボタンを、悩みながらも段々と上から外した。このまま、寝よう。ボタンは外した方が寝やすいから。          吉永がその様子に気付き、又驚きながらも、チラッと見た。だが又直ぐに目を反らした。だが、数回思わずチラチラとこちらを見てしまう。                 リナはその様子に気付いていたが、とにかく楽になりたい。それでその格好になると、 ベッドカバーをガバッと捲った。吉永がその様子を見ている。            そして自分の、胸がはだけてブラジャーが見え隠れしている、そしてレース付きのパンティーを履いているのが丸見えな腰とその下の長い足、これ等を思わず見ているのに気付く。              

嫌だな、私は寸胴だから。足だって長さは あるけど太いんだから。なので急いで捲ったカバーの下の真っ白いシーツの上にピョーンと兎か何かの様に飛び乗ると、サーッとダブルベッドの奥の方に動いた。そして急いで上の方のシーツの中に身体をうずめると、カバーも掛けた。             「吉永さん、私もう寝るから!」     吉永は呆気に取られている。リナは更に声をかけた。               「吉永さん、出て行く時、電気消してね?」吉永は黙っている。そして布団に入ったリナを見ている。それでリナはこう足した。 「吉永さんも、もう遅いから泊まっていく?こっちに横になる?」          吉永が驚いているのと、考えている様に見えた。                

「その方が疲れないから、吉永さんが良いなら私は平気だから。だから吉永さん、決めて。どうするか。」           吉永は少し考えてから、出て行こうとした。

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