捌
「旦那……ひでぇもんです」
岡っ引きの孫八が死体を指差す。
町廻同心の片岡源三郎が腰を折り、変死体を検分する。
甚八らが亡くなった座敷には、計五人の遺体が並べられていた。
権蔵の手下だった二人は、茶屋の外で同じ様な姿で見つかり運び込まれている。
「外傷は?」
「それが、全く見当たりやせん。毒でも飲まされたんでしょうかねえ……」
孫八の声を背に、片岡は、この死に方に何処か見覚えのあるような気がしていた。
「こいつぁ、医者の診立てを待ってからの方が良さそうだな」
それだけを伝え、片岡はその場を後にする。
「……へい」と返事をした孫八は、その
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