技術は人を幸せにするか

2019年6月26日の朝日新聞。

作家の藤井太洋さんは、広尾学園高(東京)の

帰国子女や海外の大学への進学者が多い

インターナショナルコースの生徒21人と

ITのいまを描いた話題の短編集

『ハロー・ワールド』 (講談社)

について議論したそうです。


そのなかに、富島亮さん(2年)が、

「我々はデジタルな世界に住んでいます。

本来、デジタルも含めて技術は、人々に幸せや快適さをもたらすために

発展しているはず。技術を悪用する人をどう思いますか」

というといかけに、

「人が幸せになるために技術がつくられ、発達したと私は思っています。

技術は技術自体で前進する性質を持っている。

いずれ制御できなくなるだろう」

といったようなことを答えたと書いてありました。


技術が快適さをもたらすために作られたのは異論はありませんが、

幸せをもたらしているかどうかは議論の余地があると思う。

公害で水俣病になっている人だっているし、

石油製品が環境を破壊して自然界の資源を減少させている現状もある。

自分さえよければ、という側面が技術にはある。

それは、資本主義の本質にも通じるところでもあるから、

意外と根は深いかも知れない。


ITに限らず、古くからの伝統の技にだって、

他人の幸せを追求したと言うより、自分らしさを追求した面がある。

文芸にせよ歌舞伎や落語、能といった芸能でも、

自分との関わりがなければ生き残っていけなかったわけ。

技術は、自分と他者との関わりではないでしょうか。

自分はこんなの欲しくない、と文句を言いつつ、

技術革新の名の下に、いろんなものが巷にあふれてるのは、

それを通じてコミュニケーションができるから。

スマホをいやがるシニアだって、

孫がスマホを買えば買うんです(笑)


幸せは自分次第とよくいわれます。

技術が何でも出来ると思うのは驕りでしょうね。

制御できなくなると危惧する前に、

その幼稚な万能感から抜け出さないと

いずれ取り返しの付かないことになるのではと危惧する

今日のわたしでした。

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