もしもこんな法律があったらどんな世界になるのか……。勿論個人的な法ではなく国家としての法なので社会に大きな影響を与えることになる。 それをオムニバス形式で演出、文体は読みやすくも巧みな良作でした。 コミカル展開あり、皮肉あり、ホッコリと優しさあり、と一つの作品で何作も楽しんだ感覚を覚えました。 短編ならではの良さを味わいたい方には是非読んで頂きたい作品です。
本作は、どこかおかしな、それでいて現実から乖離し過ぎない、「あるかも知れない法律」によって、描き出される、「あるかも知れない未来」このテーマでのオムニバス形式。それでいて珠玉のショートショート。作者の雪世明良氏の力量も相まって、何とも不思議な時間を堪能する事が出来ます。……個人的には、どこか漂うアイロニーな雰囲気がたまりません。
小説の概要にも書かれていますが、オムニバスで3つのお話があります。オムニバスですのでどれから読んでも大丈夫なわけですが、1話目から読むことをお勧めします。理由は、「もしも」を法や資格という定義にするため強め表現があるので、その部分が気になりにくいと思うからです。時間がない、とりあえず簡単に読みたいという方には、前後半に分かれていますが3話をお勧めいたします。