第9話
俺はCランクから指名依頼が受けられる様になる。 というのを知った系意をバルデック公爵様に話した。
「なるほど、エイドめ。化け物を倒して浮かれていたのか?」
「ま、まぁエイド教官もお酒が入っていましたし、それにうっかりですからぁ〜・・・・・・許してあげてください」
「エイドを気づかうとは、お前は優しいなぁ〜」
いいえ、それは違います。エイド教官の報復が恐いので、なにもしないで欲しいだけです。だからエイド教官に厳罰とかしないで、ホントに。
そんな事を思っていたら、オウカさんが右手を上げながら話しかけてくる。
「あのぉ〜・・・・・・さっきの話しを聞いてて、ウチは疑問に思った事があるんやけどぉ〜、聞いてもええですか?」
「ん? 差し支えなければ話しますよ」
「なんでCランクに上がったら、指名依頼を受けられる様になるのを隠すんですかぁ?」
うん、俺もその事を疑問に思ってた。
「ああ、それなら答えられる。本当はエルライナもCランクに上がってから話す事だったんだが、知ってしまったからには話しても大丈夫だろう」
「それにエルエルなら、すぐにCランクに上がれそうですからね。旦那様」
「無論そうかもな」
イヤイヤ、すぐにCランクになるのは無理でしょう! ポイントを貯めるのと必要なクエストを受けなきゃいけないからさ!
「まぁ理由を手っ取り早く説明をすると、
「「集り対策?」」
アイーニャ様は俺とオウカさん声がハモった事も気にせずに話し続ける。
「そうさねぇ〜。簡単に説明をするとさ、指名依頼っていうのは普通の依頼よりも料金が掛かる様にしているのさ。
その高くなった料金を狙って 俺もお前のパーティーに入れてくれよ。 と言うヤツが少なからずいるのさ」
俗に言うハイエナと言うヤツか。 と思っていたら今度はバルデック 公爵様が話し始めた。
「通常の依頼よりも二倍から五倍にまで跳ね上がる。まぁ依頼自体の危険性と本人の交渉次第だけどね。
で、依頼人は個人個人にお金を払うのではなく。指名依頼を受けてくれたパーティーに対してお金を払うって形が主流。
だからその依頼を成功させたパーティーの山分けは均等に配分にするのだけれども、そこに別のメンバーが入って来たらどうなると思う」
そりゃあ答えは一つしかない。
「一人分の報酬が少なくなります」
「そう、それに指名依頼を受けた張本人達にとって、いきなり入って来た人達が邪魔しかない」
まぁ、パーティー特有の連携ってのがあるしね。俺だってゲームじゃよくチームメイトと連携をとって戦ってたしね。
それに自分の報酬が減るのは誰だって嫌だろうなぁ〜。
「まぁ普通に連れて行けないと一言いわれて終わりなのだがな」
「あらま、アッサリしているのですか?」
「しつこく原則禁止なのさ!」
そうなんだぁ〜、じゃあさっきの話しは意味なくない?
「一番の理由は結局、Dランクの中には自分が強いと思ってイキがってるガキみたいな連中がいて、 自分はつぇ〜からパーティーに入れろ! って言わせない為の対策の一つなのさ!」
「「えっ!?」」
ちょっ!? じゃあさっきの長い話しの意味なくない!? アイーニャ様のその一言で全部終わってたよっ!!?
「さて、時間潰しも出来た事だし。そろそろお
「え? 時間潰し?」
一体どういう事なんだろう? と思っていたら、王様が話し始めた。
「いや、大使の護衛ついて交渉が長引くと予想していたんだが、アッサリと引き受けてしまったからな。時間が空いてしまったんだよ。その為の暇つぶしにね」
こんな話しをするぐらいなら普通に雑談していた方が良かった気がする。
そう思っているとみんな立ち上がって荷物をまとめているので手伝っていると、ふと肝心な事を思い出す。
「あ、そうだ。私も宿屋の方に行かないといけないですね」
「あら? もしかして宿に今日から自分の家に泊まる事を言いに行くのですか?」
アリーファさん、察し良いね。てか普通に考えれば分かる事か。
「ああ、はい。あの宿のお婆さんの言わないと怒りそうですからね」
そうだよ。あのめんどくさいお婆さんになにを言われるか想像出来ないもん。
例えば仕事を終わってからリマちゃんを抱擁したら 汚い身体でアタシャのリマに触れるなっ!! って怒られるし、リマちゃんの為にオヤツを作ってあげたら リマの分も作れ!
「・・・・・・あのクソババァめぇ〜」
「ん? なにか仰いましたか?」
「いえ、なにも言ってないので気にしないでください」
危ねぇ〜、小声で言っといて良かったよ。王族に聞かれてたらどうなってた事やら想像したくもない。
「そういう事ならアタシもエルエルについて行くよ」
なぬっ!? アイーニャ様がついてくるだと?
「いや大丈夫です! ただ 今日から家で住むので って一言いうだけですから、ついてくる必要はないかとぉ〜・・・・・・」
「いんや、昔アタシはあそこの宿にお世話になってたからねぇ〜。久々に顔を見に行くだけなのさ」
えっ!? アイーニャ様が銀色の竜亭に昔お世話になってたって、どういう事なんだ? アイーニャ様って貴族だからお世話になる様な事はないでしょ?
「まぁまぁ、細かい事は気にしなさんなって。さぁ、あのババァのところに行くよ」
「そうですよ。おもしろそうな展k・・・・・・ではなく。お知り合いにご挨拶しに行くのは当然ですよ」
アイーニャ様とアリーファさんがそう言いながら俺の腕を引っ張って玄関へと連れ出そうとしてくるので、踏み止まりながら二人に肝心な事言い出す。
「あ、あの! 出かける前に戸締りの確認をしないと!」
「ん? それなら大丈夫。アタシとネルソンが合鍵を持っているから安心しな。ほれ、コレはアンタの分だよ」
そう言いながらカギを手渡してくるが、俺は納得が出来ないと言いたそうなを顔をしながらアイーニャ様を見つめてしまう。
「ズルいですわアイーニャ! わたくしの分も作ってくれません? お金はいくらでも払うので!」
「そう言うと思っていたのさ。ほれ、コレがアンタの分の合鍵」
アイーニャ様は王妃様に向かって投げて渡した。受け取った王妃様は貰った合鍵を愛おしそうに頬ずりして喜ぶ。
「はぁ〜〜〜ん!!? さすがアイーニャですわね! 優秀な我が・・・・・・」
「ちょっと待って!! なんでアイーニャ様達が合鍵をもってるんですかっ!? しかも合鍵の数が多いっ!!?」
「ん? リフォームする時に頼んだからに決まってるのさ」
なにをおかしな事を言っているんだ? と言いたそうな顔をしてくるが、おかしい事極まりないので言わせて貰う。
「イヤイヤイヤイヤ!? ひとん家の合鍵を作らないでくださいよ! 不法侵入する気満々じゃないですかっ!!?」
「不法侵入とは失礼な。アンタが留守の間はアタシらがこの家の管理をしてあげようと思っているから、合鍵を作ったんだ。そうすれば使用人を雇わなくても良いし、なによりも知り合いだから安心して任せられるだろう?」
「逆に安心して任せられませんよっ!!」
上手く言いくるめ様としたってそうはいかないぞ! 絶対俺の家で遊ぶ気満々だろう!!
「うむ、エルエルは私達の事を信じられないのか?」
「はい、全くと言って良いほど信じられないです!!」
「この子即答をした!!」
オウカさんは驚いているが、俺はこの人達を知っているからこそ言える! 王族の二人も多分同類だっ!!
「まぁまぁ、そう言わさんなって! アタシらは家族の様な関係なんだから、気にしない! 気にしない!」
「気にしますよっ!! ってわぁ!!?」
そう反論した瞬間にアイーニャ様に持ち上げられてから肩に担がれてしまった。
この人やっぱり力が強いわっ!! じゃなくって!!?
「お、下ろしてくださいアイーニャ様!!」
「めんどくさくなって来たから、このまま担いで運ぶのさ」
イヤイヤイヤイヤッ!? この体勢は危ないって!!? この服じゃ! この服じゃ危ないんですっ!!
あっ! でもアニメでよく観てたから〜ぁ・・・・・・いや、やっぱり自分の身と思うと恥ずかしくて極まりないっ!!
「待って待って! 歩きますから! 下ろして、お願い!!」
「あ? なにを気にしてるんだ?」
「パンツが、パンツが見えちゃうんです!!」
手で隠してなかったら、王様達にまる見えだよっ!!
「その可愛いパンツ、どこで買ったのか教えてね」
「ウチも教えて欲しい」
思いっきり王妃様とオウカさんに見られていたっ!!
「じゃあ戸締りを頼むよ」
「ああ、任せてくれ。アイーニャ」
「下ろして下ろして下ろしてっ!! これ以上恥をかかせないででぇぇぇええええええええええええっっっ!!!?」
俺は銀色の竜亭に着くまで、自分のスカートの中を見られない様に手で必死に覆い隠していたのだった。
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