付録② 後書き『Episode8 証拠不十分』

 本作中では一番の長編であり、唯一の続編ものです。

 『2018年度 ルノルマン・カードに導かれし物語たちよ!』の「Episode4 あどけなき皮」の約12年後のお話となりました。

 ストーリーにはちょっと無理やり感がありましたが、高校生になった実葉ちゃんが登場するお話も書いてみたいと昨年末から思っていたので、この機会に書くことでできて良かったです。



 前作と同様、本作の実葉ちゃんは両親と暮らしているかと思いきや……お母さんの葉子は何年も前にサイコな実葉ちゃんから逃げ出しておりました。

 再婚した彼女は現在、実葉と同い年(同学年)の娘の母親となっており……と、新たなる事件の”下地”が揃った始まりです。


 しかし、今回の実葉ちゃんの犯行は、自分のお母さんに可愛がられている娘への嫉妬などといった陳腐な理由ではなく、自分以外の者のため――大切な友人のためでした。

 ですが、その友人が自殺することを事前に知っていながら、”いつもと何ら変わらぬ様子で学校で授業を受けていた”実葉ちゃんは、やはりサイコですね。



 平凡で平穏な家庭を何よりも望んでいる葉子にしても、1回目の結婚は夫はいい人だが娘がヤバい、2回目の結婚は娘はいい子だが夫がヤバい、とまさに踏んだり蹴ったりです。

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