第二楽章 ベリンダ事変
Op.16 橋上都市ベリンダ
アルテシア王国の北端に位置するネストは、大規模な地殻変動により、海抜千メートルほどの高さにまで隆起した台地状の島である。外縁は垂直に切り立った険しい崖となっており、加えて周囲の海域は潮の流れが速いことから、上陸は極めて困難である。
未だ普及しているとは言い難い空路を除き、ネストに渡る唯一の手段となっているのが、ネストとアルテシア王国の本土を繋ぐ橋上都市ベリンダである。そして、海峡に架けられた吊り橋を彷彿とさせる当のベリンダこそが、ネストを唯一の生息地とし、水を嫌う習性を持つ
ベリンダのネスト側は、高さ百メートルの防壁によって囲われている。しかし、この対策のみで
極めて危険な地域での工事となることに加え、
施工部隊における
加えて、ケテルに備わっていた
◆
シタンの指揮のもと、二日間の行軍を経て、施工部隊はベリンダに到着した。
「すごい……! 橋の上に街がある」
ベリンダの威容を目にしたミコトは、驚嘆の声を上げた。
ネストはアース文明の遺跡と鉱床の宝庫であり、
シタンが率いる施工部隊は、宿営地の設営や部隊員の休息を済ませた後、水堀の工事に取りかかった。
要所において土木技術者の意見を仰ぎながら、シタンは細やかな作業指示を出す。それをミコトが、ケテルを通じて
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます