第2章 百英雄

第174話 第4の英雄?



魔族に奪われた27の王都


27人の魔王は恐ろしいほど強く 英雄でも勝てなかった


それでも


人族は諦めたわけではなかった


王都を脱出することができた王族や貴族達は


各街から兵士や冒険者を集め


他の国から援軍を送ってもらい


王都に攻め込む


・・・


結果は


・・・


王都を奪還出来たという知らせは


・・・


ない


・・・



冒険者達のほとんどがいなくなってしまった


45の国の兵士達も激減してしまった


・・・


食料も資源も ほぼ全てを魔物に頼っているこの世界


魔物を倒す者がいなくなり 人々の生活は困窮する


・・・


4人の英雄はいなくなってしまった


人々の希望 平和の象徴である英雄達がいなくなってしまった


・・・





誰かが言った


第4の英雄がいれば魔王に負けないのに っと


・・・


王達も第4の英雄なら魔王に勝てるのでは っと


・・・


しかし


英雄達は誰もいなくなってしまった


・・・





誰かが言った


絶望の時代が始まったと


世界の終わりが始まったと


・・・









街の入り口付近には沢山の子供達や女性達が集まっている


冒険者が街に入って来れば すぐに近寄っていく


子供達は食べ物を恵んでもらうために 荷物運びを


女性達は食べ物を恵んでもらうために 身体を


・・・


どこの街でも同じような光景が


・・・


冒険者の数は少なくなったが


孤児の数は増えている


身体を売る女性の数は増えている


・・・


魔族との戦いで父親を失った子供達


夫を失った妻達


・・・


領主は兵士達に魔物退治をさせているが


食べ物が行き届くのは


上層階級


お金持ち


・・・


冒険者になろうとする子供達 女性達もいるが


・・・


新米の冒険者ではスライムを倒すのも命がけ


更に魔物の数が増えていて


一度に複数の魔物を相手にしなければならない


危険は増している


新米の冒険者達のほとんどは


・・・








「お お知らせします」


「どうした 慌てて」


「それが その 第4の英雄と名乗る者が現れたとの情報が」


「またか 次はどこの街だ」


・・・


「1日で移動出来る距離ではないな」


「本物の第4の英雄なら転移魔法が使えますが」


・・・




毎日のように飛び込んでくる第4の英雄の目撃情報


しかし


小さな子供だったっと


男の子だったという目撃情報も多いが


女の子だったという目撃情報も多い


・・・


「さすがに 偽者では」


「しかし 第4の英雄は最強の魔法使い 子供に変身することも出来るのかも 女児にもなれるのかも」


「これまでの情報からすると 第4の英雄である可能性も高いと思われますが」


・・・





またか その第4の英雄は何をした


・・・


スライムの群れを倒したと


誰にでも出来るではないか 偽者ではないのか


・・・


街で炊き出しをしてくれたと


誰にでも出来るではないか 偽者ではないのか


・・・


可愛い子には美味しい料理を振る舞い それ以外の人達には昆虫の魔物を食べさせたとか それも領主にも昆虫の魔物を薦めたとか


領主の対応は


護衛達が剣を抜いたそうですが その 真っ二つにされたと


なっ まるで 第4の


・・・


グランディオ王国に現れ 魔王が開催しているトーナメントに出場して 魔族を真っ二つにしたとの情報が


それは本当なのか トーナメントで魔族に勝てば 捕らえられている王族が解放出来るという情報があったな


それが 魔王は約束を守り 好きな王族を解放すると言ったようですが 第4の英雄を名乗る者が その


まさか 王を選ばなかったというのか


はい 王女様を解放したと 理由は可愛いからと


強さも理由も第4の英雄 そのものだな


はい ただし 小さな男の子だったと


・・・


サザダム王国に現れ 王都を奪還するために攻め込もうとしていた第1王子と第2王子を殺害したとの情報が


なっ 理由は


詳しい情報は入ってませんが 魔族を撤退させたとの情報や皆で一緒に食事をしたとの情報もあります 引き続き情報を集めます


・・・





強さ 理不尽さは第4の英雄のように思えるが


毎回 名前が違う


性別も男だったり 女だったり


それに全員が小さな子供


場所も世界各地で目撃されている


・・・


本当に第4の英雄が多数いるのでは


・・・


最初は信じていたなかった人々も 多数の目撃情報や実際に命を救われたことから次第に信じる人々が増えていった


・・・


人々は性別 年齢 名前の違う 第4の英雄を名乗る者達のことを


・・・


彼らのことを


・・・


彼女らのことを


・・・


第4の英雄と名乗る小さな子供者達のことを


・・・


呼ぶようになる


・・・


百英雄と

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