第139話 試食



2日目の昼には尖った山容の山が見えた

山の麓の森までは平地が続いていたのだが


「ご主人様 あれは」


「そうだね あれが問題の魔物 ワイバーンの群れだと思うよ」


「私達は」


う~ん 失敗かも 守りながら戦うのは・・・ 無理かな


「ごめん 無理そうだ トイレは大丈夫かな」


「えっ 私は大丈夫ですが」


他の子も大丈夫みたいだったので 食料と水を出して


「じゃあ 結界の中で待ってて 食料と水 空気穴もあるから問題ないんだけど 中で大きいほうをすると匂いがこもるから そこは友情パワーで乗り越えてね」


「えっ 結界」


「魔那よ 我の愛する者達を守りたまえ 結界魔法 鉄壁」


鉄で出来たドームを取り出した


さて どうしようか


空からはワイバーンが200匹ほど向かってくる


いつもは俺が空から攻撃していたが・・・


とりあえず 幻影を出し 俺は幻影の光の中に隠れて攻撃を


投石紐を取り出し石で攻撃


斜め上の方向ならいいのだが 上方向は投げにくく力が入らない


偵察なのか 一匹のワイバーンが幻影の俺目掛けて 真上から攻撃を


低い位置までくれば 楽勝だね


ワイバーンの翼目掛けて石を放つと貫通して ワイバーンはバランスを崩す


すかさず ジャンプし 空中で朱殷の杖を取り出し ワイバーンの頭めがけて殴りつけた 


地面に激突したワイバーンの頭を更に杖で殴りつけると ワイバーンはお金を出した


ふぅ~ 一匹なら楽勝か う~ん やばいかな


10匹のワイバーンが真上から降りてくる


ワイバーンの攻撃を避けるために ジャンプすると


すぐに他のワイバーンが俺に向かってくる


俺は岩を出し 足場にしてジャンプしていくが ワイバーンの翼で起こる風で 狙った場所に上手く飛べない


空中戦は不利か 複数相手も 先制攻撃も真上には厳しい 残るは


・・・


俺は走って山の麓の森に


逃げるのが一番だね


上空からは次々にワイバーンが向かってくる


俺は幻影を出し ワイバーンの攻撃をそらしながら とにかく走る


森に入れば 上空からは木々で視界が悪くなるはず 空からの攻撃は厳しくなるだろう


幻影の俺を攻撃するためにワイバーンは低空飛行になっているが我慢 今 攻撃すると 攻撃の隙をついて他のワイバーンに


とにかく森に


森に


森の中に


よし


木と木の間を抜け 森の中に入ると ワイバーンの群れはゆっくりと旋回して俺を探す


今なら投石紐で


低空で旋回しているワイバーンの翼を狙って次々に石を放っていく


逃げていくワイバーンもいるがバランスを崩し地面に降りてくるワイバーンも


地面に降りて狙いやすくなったワイバーンの翼を優先的に狙い飛べなくする


無理やり森の中に入り 俺を攻撃しようとしてくるワイバーンもいたが 動きが遅い


ジャンプして杖で頭を殴りつけ 地面に激突したところを更に


ここでなら戦える




20匹のワイバーンを倒した時 残りのワイバーンが叫びながら上空に舞い上がり山の頂のほうに飛んでいってしまった


ふぅ~ 終わりなのか


真上から攻撃か こんなに不利になるとは


まあ いいか 対策はまた今度で それより




俺は森の中を進み 魔物を倒していく


豚 牛 鳥等の魔物が沢山いる 全てワイバーンの餌なのか


ワイバーンがいなくなれば 食糧問題は解決しそうだが・・・


しばらく 魔物を倒し 4人の元に





「お待たせ」


「どうでしたか」


「う~ん そうだね 無理かな エッタ達のレベルを上げて魔物退治が出来るようにしようと思ってたんだけど ワイバーンはきついかな」


「そりゃそうですよ A級の冒険者でも厳しいですよ」


「ははっ そうなんだ う~ん まあ いいか じゃあ 街に戻ろうか」





俺は飛蝗の魔物を中心に倒しながら 4人のレベル上げを


途中で1泊して3日目の夕方に街に


孤児院の廃墟に着くとギルド職員と街の住民達が揉めていた


まあ 原因は食べ物だろうけどね


俺は皆を集めて話を




「じゃあ 20のグループに分けるからね 1位のグループにはプリンをあげるから 頑張るように」


600人くらいの子供達が元気よく はいっと返事を


俺はギルド職員にお願いして 子供達の料理の試食をしてくれる人を集めて欲しいと


ギルド職員は驚いていたが すぐに動いてくれた


子供達が作った20のブースの前には沢山の住民達が行列を


子供達の料理を覗いてみると 恐ろしそうな料理ばかりが


うわっ これを食うのか 俺には無理だね




あちらこちらで 悲鳴や怒鳴り声が聞こえてくる


俺は歩きながら


「無理して食べることはありません 試食に協力してくれる人のみ並んでくださいね」


食えるか っと叫ぶ大人達もいたが 孤児の痩せ細った子供達が無料で提供してくれる料理なのでほとんどの人達が何も言わずに協力をしてくれた 住民達が望んでいるのは美味しい料理ではない 少しくらい不味くてもいいので少しでも食べること


食べた人のほとんどが吐き出してしまうブースもあったので そのブースはすぐに撤収させて他の子達の手伝いに回らせた


20の内でまともなのは1つだけかな シンプルに木の枝を刺し こんがりと丸焼きにした料理が一番マシなようだ






俺はギルドに行き 料理人を派遣してもらうことにした


飛蝗の魔物が食べれることが分かったので 本職の人達にレシピを作ってもらうためだ





片付けをした後は 山で取れた豚 牛 鳥の魔物を子供達に渡し 料理してもらい 子供達だけで食べてもらうことに


もちろん 1位のブースの子供達にはプリンを








私が食べてもいいの


レティはケーキでもプリンでも食べたい物を食べるといいよ 俺が愛しているのはレティなんだからね


うん ありがとう 私も好きだよ ちゅっ


ふっふっ よかったね 私もいただきますね


そうそう 遠慮することないからね


ご主人様も遠慮しないでくださいね 食べますか


じゃあ いただこうかな


俺はスプーンをかわし エッタのちっぱいをぱっくっと


ふっふっ 美味しいですか


とっても


私のは


エッタとレティ そっくりのちっぱい


食料問題の影響なのか それとも遺伝なのか


詳しく調べる必要がありそうだね


舐めると だんだんと甘い声が大きくなる 


2人とも健康状態には問題なさそうだね


調査は深夜過ぎても続く


・・・

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