第136話 次は西かな?



ふぁ~ぁ んっ


マヤとアレシアがいない


テントを出ると皆が走って近寄ってきて


俺にお辞儀をしながら


「ありがとうございました」


っと言って 俺の前に並び順番にキスを





楽しかったダンジョン生活も終わりなのか


長かったような 短かったような 楽しい生活が


・・・


俺達はボス部屋の奥の魔法陣に乗り 入り口に転移した






外に出ると いつもは沢山いるはずの冒険者達が誰もいない


あれっ 何かあったのか


「急いで街に戻りましょう」


マヤも俺と同じことを考えたのか


「そうだね」


俺達は走って街に




門の兵士に何かあったのか と聞いて見ると


恐ろしい魔物が南の街に向かっていると


B級の魔物 巨大スライムの群れだそうだ


南の街か それなら問題ないね って思ったんだけど マヤが


「英雄様 行くんですね」


えっ そんな危険な所には行くつもりはないけど


「そうだ 英雄に頼めばいいんじゃないのか」


「えっ あっ 英雄様 お願いします」


いや 俺じゃなくて


「ほら 3人の英雄がいるんだろ」


「聖騎士様にですか」


そうか 賢者は行方不明 勇者は魔族の領域にお出かけ中だったか


「そうだね すぐにお願いしたほうがいいと思うよ」


マヤは不思議そうな顔をしていたが


「分かりました すぐに ノルン様に相談してみます」


っと言って走って教団支部に


弱いスライムの大量発生でB級の黒スライム  B級のスライムの大量発生なら・・・






俺が教団支部に着くと マヤが


「ノルン様に相談してみると 既に 聖騎士様に依頼していると言われました」


さすがノルンだね


「そうか それはよかった」


「英雄様はこれからどうするのですか」


これからか これからも気ままな旅を続けるだけなんだけど


「西に行ってみようかな」


「西ですか ムンガ王国の食料問題ですね それを解決に あっ それでダンジョンで黒猪を大量に倒したんですね」


えっ 食料問題って 違う国にしようかな


「飢饉でも」


「いえ そうではないようですが もともと ムンガ王国には食料になる魔物が少ないので他国からの輸入に頼っていたのですが 問題はその食料を買うためのお金みたいです」


「う~ん じゃあ 念のために食料と水を大量に買ってから行くことにするよ」


「でしたら 教団のほうで手配しましょうか」


「そうだね 頼むよ お金はちゃんと払うから この街に無理が無い程度でね」







美味しそうなものが売ってないか街を散歩していると 


前から歩いて来た男がいきなり剣を抜き


「貴様が噂の英雄か お手合わせ願おう」


はぁ 何を言っているんだ


で レベルは げっ レベル135


「魔那よ 力を」


俺は慌てて幻影の指輪で幻影の光を出し体を包んだ


「受けてくれるのだな 行くぞ」


来なくていいんだけど 仕方ない


「結界魔法 四光の陣」


俺は更に3つの光を相手の後方と左右に出し 杖を持って男に突撃だ


4つの光は男の周りをゆっくりと動く


男は俺に向かって剣を


速い


が俺には当たらない


「ほう 今のを避けるか ならば 速度を上げよう」


へぇ~ 手加減してくれているのか


俺は男の剣をかわし続ける


シュパッ ヒューッ ヒューンッ ブオンッ


男の剣が何度も空を斬る


それにしても 大振りが多い まるで・・・


「全てかわすか さすが英雄 魔法使いでも英雄は英雄か」


さて どうしようか 光に紛れて後ろから石を投げつけようと思ってたけど この男は明らかに手加減をしてくれている 斬れないように 大振りで風を起こし吹き飛ばそうとしているようにみえる


中途半端な攻撃だと意味がなさそうだし 手加減も難しいレベル それなら・・・


俺は男の攻撃を避け続けている幻影の俺をジャンプさせて 俺も4つの光と共にジャンプした


空中で幻影と合わさり


「魔那よ 我に力を 氷魔法 雹」


大きな氷の塊を出して朱殷の杖で叩いて砕く


もう1つ 更にもう1つ


男を無数の砕けた氷の塊が襲う


俺は地面に着地すると同時に雪玉を取り出し


「氷魔法 雪合戦」


石の入っていない雪玉を男の顔めがけて投げる


男はいくつもの雪玉をかわしていくが ついに


男の顔面に パスッ っと雪玉が


「貴様 まさか 俺に手加減を」


「手加減しているのはあなたの方ですよね まあ俺には剣の攻撃も槍の攻撃も効きませんけどね」


「なっ まさか 貴様は伝説の」


えっ 何 伝説って


「貴様 今 いくつだ」


えっ 英雄は皆 12歳だって知らないのか


「12だ」


「18の魔術の内12も習得したというのか」


えっ 魔術 何のこと言っているんだ 俺は魔法は使えないんだけど


「貴様は何のために力を手に入れている」


えっ 力を それは 楽しく過ごすため 好きな女性を


「守るためかな 楽しく過ごすためにね」


「ほう 自らを犠牲にして 人々を守るというのか 人々が楽しく過ごせるようにか」


えっ 他人を守るつもりはないけど 何を勘違いしているんだ 面倒くさそうな男だね さっさと話を終わらせたいよ


「興味がないからね 俺は行くよ」


「ほう 手柄に興味がないのか 剣聖の俺より強いのに己の力をひけらかすことなく」


何を言っているんだ さっきから う~ん 剣聖って そこそこ強い男なのかな


「英雄様」


えっ ノルン


ノルンが走って俺の方に 俺に抱きつき キスを


「ノルン どうして ここに」


「来ちゃいました」


てへっと微笑むノルン


可愛い


「じゃあ すぐに宿に行こうか」


「ふっふっ いいですよ」


ちゅっ んっ ちゅっ んんっ ノルンを抱きしめながらキスを


「おい 貴様ら 俺を忘れていないか」


とろけるような可愛い顔をしていたノルンの顔が急に凛々しくなり


「英雄様に剣を向ける等 無礼ですよ 剣聖エリアス 英雄様と敵対するのなら たとえあなたが英雄の仲間であろうと私はゆるしません」


英雄の仲間 あっ 聖騎士の仲間ってことか


「俺はそいつと話をしているんだ 引っ込んでいろ」


「俺は何も話すことなどないけど ノルンの敵なら倒すよ」


「1つ聞かせろ 貴様が邪神の眷属を倒しているというのは本当なのか」


「えっ ただの噂じゃないのかな」


「ふっ 噂か この地にいたクラーケンも倒されたようだが 噂だというのか」


「噂だと思うよ」


「本当に手柄を求めないのだな まあよい しかし これだけは覚えておけ 強大な力を手に入れるためにはリスクが生じる 貴様が求めている18の魔術の力は強力だが 貴様も分かっていると思うが大きな代償を払う必要がある 貴様が傷つき手に入れた力で人々を守っても 人々は感謝をすぐに忘れ 貴様は手に入れた力で狂い身を滅ぼすことになるだろう その時 人々はお前をただの敵としかみない 貴様の末路は孤独に死んでいくのみだということをな」


18の魔術ってなんだろ さっきも言ってたけど


「それは違います 英雄様が孤独になることはありません 私は英雄様を最後まで愛し続けます たとえどんなに狂ったとしても私は最後まで愛します 英雄様を1人にしません それに私だけじゃありません ニケも 英雄様が救ってくれた女性達も きっとサリア様も 絶対に 英雄様が私達を救ってくれたことを忘れることはありません 私は英雄様に命を奪われようとも 最後まで愛し続けます」


「狂った英雄と女王のおとぎ話のようにか 貴様が真の英雄に相応しいことは分かった 貴様がこれ以上 身を犠牲にして力を得なくてもいいように聖騎士ハルト様を最強の男にしてみせよう 最強の英雄が手にすることの出来る聖剣フラガラックはハルト様の物に」


聖剣


「いいえ 聖剣フラガラックは英雄様こそ相応しい剣です 」


えっ 俺は武器を


「相応しいって その聖剣って」


「英雄様達が15歳になった時 4人の英雄様の中で1番活躍されている英雄様に送られる剣のことですよ」


「俺はそんな剣いらないから 3人の英雄で競ってくれればいいよ」


「そんな 聖剣がなければ邪神の眷属を倒すことが あれっ 英雄様は」


んっ 聖剣がなければ倒せないという誤った伝説があるのかな


「そうだよ そんな物がなくてもね 俺の仲間も邪神の眷属を1人で倒しているしね」


「なっ 貴様だけでなく 仲間もだと」


「ふっふっ そうでしたね 英雄様を私達の物差しで計ろうとするほうがおかしいのですね」


「貴様が人々のために行動している真の英雄だと認めよう 非礼をお詫びする」


だから何を勘違いしているんだ


「じゃあ 俺は行くからね あっ そうだ 聖騎士の仲間なら南の街に行くんだろ」


「ああ そうだが」


「恐ろしい魔物がいるかもしれないから気をつけるように言っておいてよ」


「貴様が1人で千匹倒した巨大スライムだけではないのか」


千匹? もっと少なかったような


「念のためだよ 街の人達にも言っておいたほうがいいと思うよ」


「街の人々の避難は完了していますよ」


「さすが ノルン 仕事が速いね じゃあ 安心して楽しめるね 行こうか」


「ふっふっ はい」


「おい」


男はまだ何かを言おうとしていたが 俺はノルンを抱きかかえて その場から走って宿に向かった








準備できましたよ


おおっ 巫女服


ふっふっ 似合っていますか


うん 可愛い よく似合っているよ


ノルンはベットに寝ている俺の上にまたがり


微笑みながらキスを


絡み合う舌 ノルンの唾液が舌を伝って俺の口の中に


ねっとりと絡み合う舌をゆっくりと動かしながら


ノルンは体をゆっくりと動かし擦り付けてくる


神聖な巫女服を着て 色っぽく微笑むノルン


今日はいろいろあったような


ノルンの甘い声を聞くと


ノルンのこと以外は考えることが


・・・

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