第123話 私に出来ること



「ただいま」


「えっ 兵士達は」


「それより」


俺はニケを抱きかかえて ベットに


「終わったのね で どうだったの みんなに結果を伝えないと」


「とりあえず 兵士達は逃げて行ったよ 倒したのは100人くらいかな」


「はぁ 千人の兵士と戦って無傷なんて」


「俺が丁寧に説得したから ほとんどの兵士達が戦いに参加しなかったんだよ」


「君が説得なんて するはずないでしょ 絶対に」


「え~ 俺は戦いが苦手だからね」


「みんな 戦いは終わったみたいよ」


部屋を覗きこんでいた女性達に向かってニケが叫ぶと


部屋の中に女性達が次々と入ってきた


「英雄様 ありがとうございました 私達はこれから どうなるのでしょうか」


「んっ 礼は ノルンに言ってよ ノルンが裏で動いていたみたいだからね」


「で 私達は」


「そうだね この国を出てもらうよ 全員ね まだ お金が足りないから転移出来ないけど 集まったら転移してもらうからね」


「えっ どこに」


「虎族の領土に住んでもらうことにするよ そこに街を作って住んでもらうから いいよね」


「私達はいいけど その 虎族は」


「虎族とは話がついているよ 土地を提供してくれるってさ それと隣接する国はサブル王国っていう国なんだけどね

虎族と同盟を結んだから サブル王国の商人達が街に来るようになるから

虎族とのトラブルの仲介はサブル王国の女王サリアがすることになっているから 何かあったら相談するといいよ 側近に通訳が2人いるからね」


「人族と獣族が同盟を」


「サブル王国だけだけどね」


「で この国は」


「う~ん」


俺がチラッと女性達を見ると 女性達は部屋から出て行った


「今から話す内容は 俺とニケの2人だけの秘密だよ 

貴族等のお金持ちは奴隷を手放すことを拒否するだろうから

王が奴隷制度を廃止すれば 反対する人達が出るだろ」


「そうね 貴族達が奴隷を手放すことはないと思うわ」


「だから ノルンと王と王女が結託して 王女に 王女ルルンにクーデタを起こして もらうことにしたみたいだよ まあ 裏でサリアが糸を引いているみたいだけどね」


「えっ」








数日後


王女ルルンが奴隷制度廃止をかかげて クーデターを起こした


王は捕らえられ 奴隷を持っている人々から奴隷を放棄させ 取り上げていった


王女ルルンには どこから現われたのか分からない多くの獣族達が味方した


そして王都だけではなく 各街の奴隷達も全て取り上げていった


そんな中 王を救うために フラテール教団のノルンが教団と貴族の兵を率いて王都に向かう


王女ルルンは話し合いの末 ノルンの説得に応じて 王を解放し サブル王国に亡命した


沢山の奴隷達と共に






サブル王国も奴隷に対する扱いの改善をしただけで

奴隷制度を廃止した訳ではない

父から王位を譲られた女王サリアは獣族の奴隷の買取を積極的に行った

そして 買い取った獣族の奴隷達を獣族に売却した

買取した時の値段の1.5倍で売却を

サブル王国に獣族を持って行けば確実に高値で買取してくれるとあって 獣族の奴隷達はサブル王国に集まっていく

サブル王国も獣族から高値で買って貰えるのでお金は増えていく

もちろん 全ての獣族を救うことなど 出来ないだろうが それでも

獣族の値段は上がり 獣族狩りに力を入れる国が現れるかもしれないが それは獣族に頑張ってもらうしかない

悪魔族の野望を阻止するために第4の英雄が獣族を率いて 獣族の奴隷を解放をしながら各国や各街を回っているとの噂が流れ

獣族を売却する人達は多くなっていった

奪われるより 確実に高く買ってくれるサブル王国に買取してもらったほうがいいと手放す人達は増えていく

更に 獣族の奴隷を禁止するという国も現れた

英雄と敵対することを避けてのことだろう

国もただ禁止するのではなく 獣族の奴隷をサブル王国に売ることで 批判を回避しているようだ

後押しになったのが アブソート教団に悪魔族が関わっていたことだろう

悪魔族の狙いが人族と獣族を争わせることだと分かったのだから

アブソート教団の総本山のある国以外では アブソート教団が排除されたことも大きいようだ






はぁ~ またノルンに迷惑を


それじゃあ ニケがノルンの負担を少しでも減らしてやればいいよ


私に出来ること ノルンの負担を私なんかが


俺はニケを抱きしめ


キスを


まさか ノルンの負担って


・・・

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