第103話 何のための翼だったの



俺とサリアは馬車に 

他の兵士達は馬に乗り 馬車の護衛をしてくれるようだ






馬車は5時間くらい走って ようやく止まった


サリアが着いたようですねっと言ったので


外に出ると


砂漠か 周りには何もいないようだけど・・・


「この先にシルシュと呼ばれる指名手配魔物がいます」


「えっ 指名手配魔物ってことは強い魔物ってことだよね」


「分かっていると思いますが 指名手配魔物とは普通の冒険者では倒せない魔物です 本当の呼び名は邪神の眷属」


「あっ じゃあ ひひの魔物やキマイラ それと あの黒い塊の魔物と同じってこと」


「ふっふっ やっぱり 英雄様だったんですね」


う~ん 黒いスライムはちゃちゃが倒したから 俺でなくても倒せるってことだよね


「ランクはA級なの」


「そうです A級ですが その中でも強いとの話ですが」


えっ 強い魔物は他の英雄に頼んで欲しいんだけど・・・


「英雄様 今夜は 私とミラベルで精一杯 おもてなしをしますので」


「すぐに倒してくるよ」


「クスクス お願いしますね」


「はぁ 無理はしないようにして下さいね」


う~ん 断れなくなってしまったか 2人でか・・・


よし やるか





砂漠を走って進むが魔物がまったく出てこない


妙だな 1匹も魔物がいないなんて・・・


んっ 何か いる


前方に魔物が・・・ 翼が生えた魔物が


巨大蛇の様にも見えるが・・・


空を飛ぶのか とりあえず 先手必勝だね


投石紐を取り出し 石で攻撃だ



よし 命中 次


見晴らしのいい場所なので 魔物はすぐに俺に気づき 向かってくる


2発目


3発目


こちらにたどり着く前に 次々に命中しているが


4発目


来るか


「飛翔」


俺は幻影を残し ジャンプした


そして


「巨大岩」


巨大な岩がシルシュに命中


よし


着地してシルシュの方を見ると 岩に潰れたのか 姿が見えない


んっ まずい


俺は慌てて その場をジャンプして離れる


俺がいた場所に長い蠍の尻尾が地面から飛び出してきた


危なっ 砂の中に潜って移動出来るのか


砂の上に立つのは危険ってことか


それなら


俺は再びジャンプして 空から 巨大岩で攻撃だ


砂が盛り上がったりしているので なんとなくだが 居場所が分かる


効いているのかは分からないけどね


巨大岩をアイテムボックスから出し そして それを蹴って 空を飛び続ける


効いてなくても 俺にもダメージがないので この方法が安全だろう


よし


これくらい 足場が出来れば戦えるか


俺は落とした岩の上を移動して シルシュの動きを観察する


砂の中での動きはあまり速くはないようだ


そして 蠍の尻尾を砂の下から出すときに動きが一瞬止まっている


狙うなら その時がいいだろう


引き寄せてからの


ジャンプ


そして


巨大氷柱


ちゃちゃ ばにら ちょこに魔法で作ってもらった 普段の俺では持てないほどの巨大な氷柱をシルシュに向かって落とす


そして 巨大氷柱の上に巨大岩


刺さった氷柱を深く刺すために岩を上に落とす


これでどうだ


んっ


巨大盾


いきなり 大きな蛇の頭が出てきたと思ったら 液体を飛ばしてきた


危なっ


毒か げぇ 盾が溶けてるよ かなり やばい毒なのか


シルシュの方を見ると 砂に真っ赤な大量の血が


う~ん 血の色は赤なのか 緑とか青とかのイメージだったけど 動物っぽい魔物なのかな


しかし 死体もお金も落ちてない


まだ どこかに


とりあえず 巨大岩を積み上げて その上で様子をみることに


逃げたのかな


よし


俺は幻影で俺の分身を4体作り 砂の上に


小石を投げて 音をさせてっと


・・・


おっ 釣れた


幻影の俺 目掛けて 口を開けた巨大な蛇 シルシュが現われた


すぐに シルシュの真上まで ジャンプして


巨大な氷柱を落とすと


氷柱はシルシュの体の中心に刺さる 


蛇の頭 蠍の尻尾 鳥の大きな翼を激しく動かし

のたうちまわる


よし 完全に刺さっている


後は


離れた場所から 投石紐で攻撃だ




60発 61発 62発


シルシュの動きはだんだんと 鈍くなっていくが


しぶとい


だからといって 近づいて毒でも食らったら 馬鹿らしいので 投石紐での攻撃を続ける





132発 133発 134発


そろそろ 倒れてくれないと 氷が・・・


様子見のために 幻影で作った分身を シルシュの方に走らせると


物凄いスピードで幻影の俺目掛けて 飛び掛ってきた 


シルシュは体に刺さっている氷柱で引き裂かれながらも 幻影の俺に噛み付こうと


口を大きく開けて 物凄い力を使って 幻影の俺に噛み付いた


そして 


力尽き 倒れ お金を出した


まるで 必殺技を使ったように感じたが 最後の力を振り絞って攻撃したのだろうか


う~ん やはり 強い魔物とは戦わない方がいいよね 危険すぎるよ


シルシュの体は5メートルくらいあったので 3つに切って持ち上げて収納した


お金は1匹で1億エンも


げぇ しまった 経験値も多かったのか


俺のレベルがレベル30と見えるようになってしまった


これで 俺はD級冒険者に 上級冒険者と言われるレベルに


はぁ 面倒だね


まあ 仕方ないか


俺は走って みんなの待つ場所に





みんなの見えるところまで行くと


サリアが俺に手を振ってくれていた


ずっと立って待っていたのだろうか



側まで行くと サリアが俺に抱きついてきて


キスを


「どうでしたか」


ミラベルが聞いてきたので


「食事が終わったら 3人で」


っと俺が言うと


「はぁ 無傷で あの化け物を倒したんですか」


っとミラベルが呆れた顔に








ふっふっ さすが英雄様ですね


戦いたくは ないんだけどね


伝説は本当なんですね


伝説?


ええっ この国に伝わる 女好きの英雄の伝説


へぇ~ どんな話なの


ふっふっ 女性の体を差し出す代わりに どんな依頼でも受ける女好きの英雄のお話ですよ

しかし 英雄はリビドーが押さえられなくなり 狂ってしまう

そんな英雄を最後まで愛して身を捧げ続けた女王様のお話です


で 最後はどうなったの


狂った英雄に身を捧げた女性達の子供達は狂った英雄を殺すためだけに生きていくんですが

全員返り討ちに合い死亡してしまう

王女様の子供だけは愛にあふれた素晴らしい英雄になるんですよ

女王様が狂った英雄も自分の子供も愛し続けたからだと言われてます

狂った英雄と女王様の子供の戦いになるんですが その戦いを止めようと女王様が狂った英雄の前に飛び出すと

狂った英雄は剣を止め 女王様に ありがとうっと言い残し 自分の胸に剣を突き刺したと


えっ 悲劇の話なんだ


ふっふっ 最後は女王様が英雄を抱きしめて キスをすると

2人を光が包み そして消えるんですよ

最後の2人の顔は幸せに満ちていたと言われています

そして 2人が消えた場所には剣だけが残されていたそうです

その剣こそが このサブル王国の王である証の剣 グラムです


じゃあ その剣は王が今も持っているんだ


いいえ ふっふっ 私の部屋にあります 私が認めた英雄に渡すために


あっ 俺はいらないからね


ええ~ 今の流れで断りますか


俺はそれより


姫 この男は絶対におとぎ話の英雄とは違いますよ 最初から狂ってましたよ 

これ以上この男が狂うと姫の体が持ちませんよ


ふっふっ それなら ミラベル 2人で頑張りましょうね


そう言って サリアが俺にキスを


ミラベルが私が姫を守りますっと言って


俺にキスを


そして


・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る