第98話 手作りの指輪




サブル王国には世界最大の砂漠 レジント砂漠がある

しかし レジント砂漠に近づく者は少ない

理由は単純だ

そこには ゴーレムが住んでいる

ゴーレムとはB級の魔物に指定されるが

倒してもエネルギーを出さない

つまり 倒しても エンも経験値も0

しかし ゴーレムが住む砂漠には 共通点が一つ

それは天魔の塔

ダンジョンと同様で誰が作ったのかは 分かっていない

仕組みはダンジョンと同じだと言われているが

難易度は天魔の塔の方が低いとされている

ダンジョンは1階を進むのに1日ほどかかるが

天魔の塔は1階を進むのに1時間程度だそうだ

塔の高さは 約2500メートルで500階らしい

ダンジョンは地下だが 天魔の塔は上に上がっていくので

外から数えることが出来るのだろう

まあ 数えるのは大変そうだけどね 

上もよく見えないし






これが噂の天魔の塔か


ペルシの街を出た俺達は南東にあるサブル王国の王都を目指していた

そのついでに 砂漠にある天魔の塔を見にきていた

特に目的がないので 観光ついでに寄り道をしただけだったのだが・・・




う~ん


この塔は・・・


壁に触ってみた感じでは・・・


行けるかな


・・・


「ちゃちゃ ばにら ちょこ 入り口前は安全みたいだから ここで 待っててくれないか」


ちゃちゃ ばにら ちょこはコクリと頷いた


俺はジャンプして塔に飛びつき

そして 塔の外壁を登っていく

でっぱりが多くて 足場が多い


ジャンプして どんどん進めるよ

塔の中には 魔物がいるみたいだけど 外にはいないしね


下を見ると かなり 怖いけど


足場になりそうな場所を確認して ジャンプ

古い建物みたいだが もろくはなさそうだ




おおっ


1時間くらいジャンプしながら進むとついに屋上に


到着~


しかし そこには 屋上には何もなかった


まあ そうだろうけどね


歩きまわったけど


う~ん やはり 何もないか


それなら 中心がいいよね


俺は塔の中心に移動し


ここら辺かな


飛翔からの


俺はジャンプして 巨大岩を投げ落とした


「ドガーン」


着地して確認して見てみると 少し崩れただけだったが


まあ 少し崩れたなら いけるよね


再びジャンプして


「ドガーン ドガーン ドガーン」


次々に巨大岩を投げ落とし破壊していく


そして


「ドガーン」


・・・


ふぅ なかなか頑丈な建物だったね


さてっと


巨大岩を持ち上げて 収納すると 穴が開いていた


中を覗くと魔物はいないが・・・・


俺は塔の中に飛び降りる


中はダンジョンと同様で灯りがないのに明るい


俺の目の前には沢山の


おおっ こんなに上手くいくとは


沢山の宝石等の宝と5つの宝箱があった


回収 回収と


次々に宝石等の宝を収納していく


そして メインの


宝箱の中には


盾が 


持ってみると 凄い反発力がある


A級より 上みたいだね


鑑定すると SSS級 アウラの盾


SSS級って 凄そうだね


普通に鑑定出来たってことは 人族のための装備ってことなのかな


次は


剣か これも同じ種類か


じゃあ これもかな


やはり 同じ種類の鎧 兜


そして 一番大きな宝箱を開けると


んっ


いきなり 声が聞こえてきた


「天魔の塔を攻略し者よ そなたに アウラの装備を授ける

剣 鎧 盾 兜を装備すれば 風の力を得ることが出来る

風魔法の強化 体に風の力を纏えば 防御力と素早さが上昇する

この装備を後世に残すのは 邪神族に対抗するためだ

この天魔の塔を攻略し者よ

邪神族は強大だ

しかし 仲間と共に天魔の塔 そしてダンジョンを攻略し 力をつければ

必ずや対抗出来るようになるだろう

我らが封印した 邪神の扉 封印が解けるのは おそらく 今より1万年後

この宝箱の中にも 封印が後どれくらい持つのか分かる玉を入れておく

既に 封印が解けているなら 玉が割れているだろう

我らの時代には 神からつかわされた英雄が 智王がいた

封印は英雄である智王の協力なくしては出来なかった

もし英雄である智王の子孫がいるのであれば 再び邪神の扉を封印することが出来るかもしれない

封印できなくとも  天使族 魔族 獣族 人族 エルフ族等 全ての種族が力を合わせれば邪神族に対抗出来るだろう

我が名は ドワーフ王 ユミル  息子に王を譲り 最後の時は智王の里で過ごすことにする

攻略し者よ 希望を捨てず 全ての種族で力を合わせ 仲間と共に」




ダンジョン 天魔の塔は邪神族に対抗するための物なのかな

う~ん 智王と言ったら・・・

魔族は敵じゃなかったのか 邪神族がこの世界の敵ってことなのかな


宝箱の中には ポーションが10個 指輪が1つ 玉が2つ入っていた

ポーションを鑑定すると 10個ともエリクサーとなっていた

エリクサーと言ったら 最高の回復薬だよね 肉体を破損しても修復されたり 寿命を延ばしたり出来るっていう

それが 10個も

他の宝も凄いのかな

指輪を鑑定すると S級のゴーレム召喚の指輪

S級って これも凄そうだね

じゃあ 次は

玉を手に取ると 心の中に声が聞こえてきた 


「封印が解けるまで 後2032年」


あれっ

よかった まだまだ ずっと先なんだね

心配して損したよ

ってことは俺には関係ないのか


これで最後か

残りの玉を鑑定すると 海王の玉となっていた

何に使うのかな

ギルドのアイテム鑑定の玉で見てもらうしかないかな



う~ん 世界を救う英雄がいつかここに宝を求めてくるのか


・・・


じゃあ 何もないのは悪いから 宝箱の中に


・・・





周りを見渡してみたが 他には特に何もない

階段の下からは 恐ろしい力を感じるけどね

う~ん これで終了かな

ちゃちゃ達も待ってくれていることだし 戻るか

俺は屋上までジャンプして

外壁から 下へと降りていく

登るより降りる方が大変だ

下が見えるから 怖すぎるよ




地上まで降りるのに 2時間ほどかかったが 無事に


体感では もっと掛かったように感じたけどね


俺が地面に着地すると ちゃちゃ達がすぐに抱きついてきた


「ちゃちゃ ばにら ちょこ お待たせ 少し休んでから砂漠を抜けて王都に向かおう」


そうだ


「ちゃちゃ この装備着てみて」


俺はちゃちゃに SSS級のアウラ装備を着てもらうことにした

ちゃちゃはこくりと頷き アウラ装備をすぐに着てくれた


「どんな感じかな」


剣を振るが特に変わったところはない


「風魔法を強化出来るみたいだよ それと 風の力を体に纏うと防御力 素早さが強化されるんだって」


見ていると ちゃちゃは風を纏い そして 速く走り 高く飛ぶ

立ち止まり 何かを考えた後 石を取り出し 投げると 物凄い速さで飛んでいった


おおっ なかなか 凄そうだね


「ちゃちゃ 気に入ったか」


ちゃちゃは 笑顔でコクリと頷いた


当たりだったみたいだね


寄り道して正解だったようだ


次は 砂漠を抜けて王都目指すか




砂漠は走りにくいが いい稽古になるだろう


って言っても俺だけか


ちゃちゃ ばにら ちょこは九尾狐に乗って移動中


最近は ずっと 九尾狐に乗って移動している


見ていたら 九尾狐の上で魔法の練習をしているので 稽古をサボっているってことではないみたいだけどね


でも 1人で走るのはちょっと寂しいよ


3人は稽古中も話をしながら 魔法の稽古を中心にしている


魔法がまったく使えない俺にはアドバイスをして上げることも出来ないので話に加われない


3人が強くなるために 魔法の稽古が必要だと思ったのなら 信じるしか出来ないよね





王都までは 2つの街に立ち寄り


俺達は 王都サブルに到着した



王都サブルには のんびり観光を楽しむために来たのだが


・・・



俺がのんびり旅を楽しんでいる間に


世界は大きく動き出していた 


その激動の渦の中に英雄達は巻き込まれていくことになるのだが


その原因は


・・・


そして 俺の旅にも変化が訪れようとしていた

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