第81話 竜の巫女17




う~ん 面倒だね


俺達は盗賊を引き連れて 村を目指した


奴隷として売っても

たいした金にならないだろうけど


証人がいたほうがいいだろうからね





赤竜山を出発して5日後


村に着くと


……


あれっ


見覚えのある 可愛い女の子が


村の入り口に


……


ティアがいた


「おかえり」


「え~と ただいま どうして ここに」


ティアは微笑みながら


「あなたに 会いたかったから 

ちょっと 空を飛んでね」


可愛い 


俺はすぐにティアを抱きしめて キスをした


おっと そうだ


「まさか 赤竜に乗って」


「はい いつでも 乗せてくれるそうです 私がいない間 料理は他の人が作ってくれているので

1週間後に 迎えに来てくれるようにお願いしました

ふっふっ この村では 本当の竜の巫女になってしましました」


ティアがにっこりと笑い そして 俺に抱きついてきた


小声で俺にだけに聞こえるように


「ありがとうございました 英雄様」


「それは 今夜 言えばいいのに」


「ふっふっ 村には可愛い女性が19人もいるのに 私を選んでくれるんですか」


そうか う~ん


「そうだ この村でも しばらく 滞在するから 大丈夫だよ」


「そこは 私だけって 言って欲しかったなぁ」


「ティア 好きだよ」


「ふっふっ 私も大好き」



村長に頼んで 盗賊達を引き取ってもらうことにした

盗賊達を引き連れて歩くのは面倒なので後処理は任せた

フローラの仲間の騎士達もいるから問題ないだろう


村の中に入ると 村は活気に満ち溢れていた

とても 同じ村とは思えないほどに




女性達がオークの住む森で魔物を倒し 森の外まで運ぶと

後は 男達が村まで運び 解体して調理しているそうだ




農業の方を聞くと

田畑の調査は オルキデの街のギルドに依頼することにしたそうだ

しかし 調査が終わるまでに2ヶ月くらいは掛かるだろうと言っていた



フローラにパンセの街のことを聞くと

アディールが仲間 200人と共に 赤竜山にフローラ救出に向かうことが決定したそうだが

出発前に 赤竜山の盗賊達が軍隊蟻の魔物に襲われて 全滅してしまったと噂が流れてきて 取りやめになったそうだ

領主は アディールに赤竜山に行き 真実かどうかの調査をするよう命令してきたそうだ

アディールは 盗賊千人と戦うために なるべく時間を掛けて仲間を集めているそうだ



まあ 領主はアディール達が盗賊と戦い全滅することを望んでいるのだろう

リーダーのフローラがいないなら 部下達を街の中で殺すより 盗賊と共倒れしたほうが都合がいいだろうからね


フローラは次の作戦はどうしますか っと目を輝かせながら言ってきた

不思議に思い聞くと 俺が1人で赤竜山の盗賊 千人を全滅させたとティアに教えてもらったそうだ

う~ん ティアのやつ かなり大げさに話したのかな……

それに この村の人達が皆 口を揃えて俺のことを村を救った英雄だと話していたそうだ


特に何も考えてなかったので 明日 街に行って様子を見てくるよっと言うと

フローラは 英雄様 よろしくお願いします と言って微笑んだ


う~ん すっかり忘れていたよ アディールも無事そうなのでよかった









ふっふっ やっと 2人になれましたね


まあ いろいろあったからね


あなたに会えて 本当によかった


俺もティアに会えて よかったよ


ありがとうございます 英雄様


英雄の仕事はしてないけどね


いえ きっと あなたのおかげで世界が救われると思います


はは 世界を救うのは3人の英雄だよ 俺は好きに生きるだけだよ


ふっふっ 百英雄のね 正体 私には分かったの


へぇ~ そうなんだ で 正体は


ふっふっ 秘密です でも これだけは 覚えていてください 6~7年後 あなたの身に何か起こるかもしれません

しかし 運命は変わります 特に その時期は無茶をしないでね


6~7年後 う~ん よくわからないけど 覚えておくよ 俺が17~18歳になった頃だね


はい また 会いに来てくださいね 私も毎日 稽古をして あなたを助けられるように頑張ります


さすが 竜の巫女様


ティアは微笑み 俺にキスを


俺はティアを抱きしめて


キスを


そして


……







俺達が山に滞在している間

赤竜と毎日 楽しそうに話していたティア

しかし俺には赤竜の表情は恐ろしく感じた

ティアに恐ろしい赤竜と なぜ そんなに楽しそうに話が出来るのかと聞くと 

だって 赤竜さんは優しいですよって

俺には意味が分からなかったよ

赤竜はティアの話を聞くのが面倒なのかと思っていたが

毎日 食事が終わっても ずっと ティアの横で話を聞いていた

俺達が山を出て行くと

2人で仲良く空のデートだなんて

あの赤竜の恐そうな表情は

強がりだったのか 虚勢を張っていたのか

ツンデレの女の子なら可愛いと思うが……



世界中で目撃される赤竜に乗る巫女

ただ 食材を捕りに行っているだけなのだが

巫女のレベルはどんどん上がって行く


最強の巫女と呼ばれる女性の

百英雄と共に旅する女性の物語が始まった

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