第42話 オルレンの森02



森に入って2日目


じゃあ 今日も頑張りますか


片付けをして 俺達4人は朝の稽古をする


クレスが面白がって一緒に始めると イネスも始めて 結局 6人ですることになった



「きっと今日で私達が最強になるよね」


「はぁ そうよね ほんと 秘密が多いんだから」




その通りになり


お昼には……


「はぁ 本当に 私達が最強になったわね」


「ふっふっ そうみたいね」


ちなみに 俺がレベル25 ちゃちゃがレベル17

ばにらとちょこがレベル9

そして最強のクレスとイネスがレベル27



「まったく レベル30って言ったら 冒険者ならD級の上級冒険者よ たぶん この森を抜けるまでには いや 今日の夜までには はぁ~」


「明日になれば 凶悪な大狼の魔物でも 戦えるかもね」


「装備も着てないし 実戦経験もないから無茶はだめだよ」


「分かってるわよ」


「うん でも ちゃちゃちゃんはいいの」


「ちゃちゃはミニスカートがよく似合うからね

あのふわふわがいいよね」


よくわからないけど ちゃちゃはミニスカートの下にいつも2枚の何かを履いている

歩くたびにふわふわして可愛いよね


「はぁ 怪我したら どうするのよ」


「ちゃちゃちゃんは強いのよね」


ちゃちゃはくるりと回り 嬉しそうに頷いた


ちゃちゃには最初に着ていた S級の防御力の高い服を持たせている 強敵が出たらアイテムボックスから取り出し着るようには 言っている


まあ 1度も取り出して着てないけどね

装備の早着替えの練習か夜に……くらいかな




俺達はD級程度の魔物ならまったく問題なく 次々に倒して進んでいく


あれは


「ちゃちゃ 虎の魔物がいるよ 和弓で倒せるかな」


ちゃちゃはコクりと頷いた


ちゃちゃが放った矢はやはり百発百中 命中だね


2発目も 3発目も


4発目を放とうとした時


虎の魔物が全力でこちらに走り出した


「炎炎炎」


俺が炎を連続して放つと虎の魔物は立ち止まり 炎を次々にかわし始めた


その間もちゃちゃは矢を放っていく


俺の魔法は続く 炎炎炎炎炎炎


「ばにら ちょこ 炎の魔法が使えるか 試してごらん」


いつまでも 幻影だとね ばにらとちょこが何もして無いふりをして 俺の代わりに魔法を放ってくれたら 俺は更に魔法使いぽくなれるかな


虎の魔物は幻影の炎を必死で避けていて こっちまで来られない


ばにらとちょこは右手を前に出し魔法を放ちそうなポーズをしているが魔法は出ていない


う~ん まだ無理なのかな

レベルさえ上がれば誰でも出来るって聞いたけど

仕方ない 稽古の時にちゃちゃに頼むか


虎の魔物は俺の炎の魔法を避けるために近づくことが出来ずに ちゃちゃの矢を次々に受け 23本目で倒れて お金を出した


やはり まだ虎の魔物は1人だと きついか


まあ ちゃちゃなら すぐに倒せるようになると思うけどね


「ちゃちゃ 凄いぞ」


ちゃちゃはにっこりと微笑み抱きついてきた


強い魔物を1人で倒せたので嬉しいのだろう


「今のって B級の魔物なんでしょ 白銀の戦士が6人で戦う魔物って聞いたことあるけど 凄すぎでしょ」


「凄いね ちゃちゃちゃんは A級くらいの実力があるのかな」


「ちゃちゃは可愛いからね でも俺達はE級だから無理はしないようにね 危なくなったら D級のクレスとイネスに守ってもらおうね」


ちゃちゃは微笑みコクりと頷いた


「あっ ほんとね」


「わあぁ 強いのね 私達って」


経験値の多い虎の魔物を倒したことで クレスとイネスのレベルが31まで上がったのだ


「そうだよ 2人は強い 他の人達が俺達をみれば クレスとイネスが俺達を護衛しているように見えると思うよ」


「はぁ~」


「ふっふっふっ」



俺達はその後も問題なく順調に森を進んでいった





まだ 森を抜けないの 8日も進んだのに


歩いて10日くらい掛かるって言ってたかな 遅くも早くもない速度だから 明後日か明明後日くらいには抜けられるかな


魔物って いつもこんなに多いの


どうだろ この森は初めてだからね 冒険者が北に行って少ないみたいだから 多くなってるかもね イネスは不安になってるのかな


冒険者って もっと気楽な職業かと思ってたんだけどね 大変なのね


冒険者は死亡率が高いからね


私が旅についていきたいって言ったら


俺達の旅は危険だからダメだよ


やっぱり


ごめん イネスには冒険者になってほしくないよ

イネスのことは好きだよ 大好きだから


俺はイネスを抱きしめてキスをした


わたしも

………







知ってる この絵本の話


いや


6人の英雄の話なの

英雄の名前はクレス イネス サラの3人

残りの3人は 百英雄の中の3人だって


へぇ~ じゃあ クレスとイネスの名前は その英雄の名前から


うんん この絵本は 最近見つかったの 1年前に3人の英雄がこの世界にきた時にね 


そうなんだ 百英雄ってのは


この世界から英雄がいなくなり

魔王軍に対抗出来る者がいなくなった時に

突如現れる100人以上の強い戦士達だって


昔話が元になってるの


うんん サラが言うには この絵本は予言書って言ってだけどね


サラって子もいるんだ


うん 英雄は1000年に1度だけだから

あり得ないって 私とクレスは笑って この絵本を見てたけど……英雄のあなたに 出会って もしかしたら 本当に私も英雄にって思ったの


それじゃあ 俺がいなくなるってことだよね


あっ ごめんなさい


お詫びにもう一回だね


あっ

……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る