ブギーポップの誕生 6
「──ここにあったか」
火葬場の、裏手の草むらに半分うずもれて、ぼろ
ぴくりとも動かないスケアクロウは、もはや接近にも何の反応もしない。完全に死体と化していた。
そのことはもうモ・マーダーには推測がついていた。出血量からもう死んでいるはずだというのはわかっていたのだ。
彼は冷静に、その死体を担いで人目からさらに隠れるところにまで持っていき、そしてその死体を処理するための薬品を背中のバッグから取り出した。
「しかし──こいつ」
作業の手をしばし止めて、モ・マーダーはスケアクロウの死に顔を見つめた。
それはとても誇らしげで、自分のやったことに対する後悔など
「こいつ──どうしてこんな顔で死ぬことができたんだろう?」
悪くない人生だった、とでも言っているかのように。
スケアクロウの死体を処理する作業を続けている間中、モ・マーダーはぶつぶつとそのことばかりを呟き続けていた。
"The End is the Beginning is the End" closed.
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