第27話 ラブラブ


 瀧本たきもとやゆらりん♪のことも気になるが、


しずくもやっぱり、巻き込まれているのか?」


「巻き込まれているというよりかは――いや、この話を私からするのはよそう。これは雫君にとって、とてもデリケートな話になるからね」


 名前を呼んだからだろうか?


 俺の隣で、雫が目を覚ました。


 寝ぼけまなこで俺と目が合い、雫が笑顔になった。


「きらりん~~☆☆☆」


 俺が困惑している間に、雫は手を広げ、


「画面の中から私に会いに来てくれたんだねっ!?」


 俺に抱き着いてきた。


「や、やめろっ! 目を覚ませ雫っ!!」


 む、胸が、雫のふくよかな胸がああああああああっ!!


 俺のひかえめな胸にぃっ!


 当たっているぅうううううう~~~~~~っ!!


「まったく、君達はラブラブだねぇ」


 やれやれというアクアは、また魔導書を開き、視線を落として続ける。


「このさい伝えておくが、あの時も君たちが一緒にいれば、瀧本君がゆらりん♪になる現象は防げたんだよ? 私も忙しい身でね。少しでいいから反省してほしい。そうだな、あとはゆらりん♪君の言い分も私は間違っていないと思うよ? ナル君は前に話した通り、細胞レベルできらりん☆と同等の存在で、潜在能力だけでいうなら、間違いなくゆらりん♪と互角以上の戦闘力があるはずだ。今後の事も考えて、きらりん☆に近づくよう努力してみたらどうだい?」


「……そう言われても、俺はきらりん☆のことを詳しくないからなぁ」


 抱き着かれたまま答えるきらりん☆の正体が、ようやく俺だと雫が気付いた。


 雫はがばっと肩を掴んで俺から離れ、


「なんだナルか」


 残念そうに言ってから、小首を傾げた。


「ナルは、きらりん☆のことをもっと知りたいの?」


「……そうだけど、どうすれば良いのかわかんねぇだろ?」


 悩む俺に、雫は少しだけ戸惑うような仕草を見せた。


「……明日、ナルは暇?」


「暇だけど、なんだよ?」


 明日は土曜日だから学校は休みだ。


「もしも、良かったら、なんだけどね?」


 雫がもじもじとしている理由が分からない。


 あんな大胆だいたんに抱き着くよりも恥ずかしい事なんてこの世にあるのか?


「わ、私は魔法少女マジカルきらりん☆のDVDを全巻持ってるのっ!! 明日は、そのDVDを一緒に観よう!」


 顔を赤くする雫を見て、俺も赤くなったと思う。


 休日の予定が決まった瞬間だった。

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