第14話 道中


 俺達は落ち着いて話せる場所に向かっていた。


 三人中二人もコスプレまがいの見た目だから、道中でめちゃくちゃ視線を集めてしまう。


 少し考えればわかることだったけど、今の俺はアニメに登場していたきらりん☆そのもので、その恰好はド派手な装飾と相反するほどに短いスカートだ。


 きらりん☆のスカートはたかが知れる防御力しかなかったし、段差があるたびに中身が見えるんじゃないか不安になる。


 世の女性たちは、どうしてこんなにも無防備な服装で街を出歩けるんだろう?


 アニメ特有の鉄壁スカートがどれだけ大事なのかを、当事者になって初めて知る。


 現実世界でこんな格好をするなんて自殺行為だ。


「やっぱりスーパー戦〇モノとか勇〇王とかになりたかった」


 俺の愚痴ぐちに、魔術師が笑う。


「君が魔法少女になったのは、君の深層心理が魔法少女になりたいと願っていたからさ!」


「そんな訳あるかっ! 雫もそう思うだろ?」


「……安心して!」


 笑顔のしずくを見て、聞く相手を間違えたことに気づく。


「今のナルはすっごく可愛い!」


 考えてみれば分かることだ。


 俺の姿は、雫の愛がれるきらりん☆なのである。


 俺は詰め寄る雫のスマホで、何十枚もツーショット写真を撮られる羽目になった。


 顔の近さにドキドキしてしまい、思わず顔をそらしてしまう。


 俺だけ馬鹿みたいじゃねーか!

 

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