第3章 6-4 ヴェルラの猛攻!
立ち上がりつつ首の鎖を外そうとしたアークタが、また鎖に引っ張られてドッと前へ倒れそうになり、踏ん張る。鎖がピンと張られ、ヴェルラがさらにそれを引っ張った。
いまだ! アークタがヴェルラの動きを封じている間に、桜葉の攻撃!
納刀し、膝を緩め、一気に虎走りで走った。ヴェルラが歯を食いしばってそれを迎え撃つが……桜葉が間合いに入った瞬間、ニヤッと笑った。
(なんかヤバイ!)
桜葉のうまい読み。ヴェルラがひょいと前に出て鎖を緩め、引っ張っていたアークタが後ろへつんのめって尻もちをつくのと同時に、緩んだ鎖を桜葉へひっかけた。かに見えたが、桜葉がそれを右斜め前へサッと避けると同時に同方向へ
が、それをヴェルラが豪快に前転してかわす。足を切られるのを覚悟の技だ。桜葉の刀が空を切ったが、桜葉はそこから転がったヴェルラめがけ怒涛の連続突きを放った。
なんとヴェルラ、一回転して起き上がった片膝の体制で振り向きざま、絶妙に膝を擦ってずり下がりながらその全ての突きを両手の間に張った鎖でギャッ、ジャッ! と受けたではないか!!
(そんなこと……!)
四回突いて全て鎖で受けるか受け流され、桜葉の体制も崩れた。そこをヴェルラが獣じみて跳びかかり、鎌で攻撃。あわててアークタが鎖を引っ張らなかったらまともに首を刺されて大ダメージ必須であった。
ズバアァ! 衝撃がし、桜葉のゲージが二割ほど減る。たまらず下がって間合いをとった。
「にわかにしちゃ、いい連携だ!」
瞬時にヴェルラがアークタへ狙いを定める。アークタへ剣を抜かせる間を与えぬ。
「ヤベッ!」
と、桜葉が思う間もなく、ヴェルラがアークタめがけて走り、同時に鎖が蛇めいて自在に動いて螺旋を描いて浮き上がった瞬間にはアークタを三重ほどにグルグル巻きとし、ギャン! と左で引いて巻きを絞めるやもうヴェルラが鎌で躍りかかっている。
(速ぇぇ!!)
加速装置でもついてんのかよこいつ!! 桜葉も急ぎあとを追う。
「……なめんな!」
巻かれながらもアークタ、自由のきく足を振り上げてタイミングよく左蹴りを放った。ハイキックと見せかけて、膝を沈めてからのフェイントのミドルキックだった。相手が素人ならば肝臓の位置へ豪快に決まり急所カウンターももらえるが、全国大会昨年度三位では無理だ。余裕で読まれた。
ヴェルラ、突進の勢いをゆるめ、サッと蹴りをかわすやその左足にも鎖を巻きつけ引っ張りながらの足払い。
アークタは無様にも両腕を縛られ大股開きの格好でひっくり返った。
その
ガッ、ガバァ! ジャギィ! ザッ、ザグゥ!! 見る間にアークタのゲージが真っ赤に染まってゆく。
そのヴェルラの後頭部めがけ、一気に間合いへ入った桜葉の抜きつけ横一刀が
ガッ、ヴァ!! ダメージは二割半ほどか。
「っ……!?」
ヴェルラにとっても、桜葉の動きは予想外の速さだった。前のめりに間合いを取りつつ防御用の鎖を確保するため、立ち上がりざま強引に引いた。アークタがゴロゴロと転がって解放される。
桜葉、抜き打った体勢から振りかぶって神速の真っ向斬り!! かろうじてヴェルラが両手に鎖を持って防御し、ギャッ! 切っ先を防ぐ。
そして二人同時に前蹴りを放った! バガン! ハイセナキス特有の衝撃がし、強制的に間合いが離れる。
(アークタは生きてるか!?)
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