沈林子6 国内統一事業  

祖父は劉毅りゅうき司馬休之しばきゅうし討伐にも従軍。

全ての戦いで前鋒を務められましたが、

夜になると劉裕りゅうゆう様は、ご自身の帷幕に

祖父をお呼びになりました。


司馬休之戦においては、

郭亮之かくりょうしと言う者が周辺の蛮族を糾合、

武陵ぶりょうを襲撃いたしました。

これによって王鎮悪おうちんあくが逃亡。


武陵の平定に、祖父が出向かれます。

郭亮之を七里澗しちりかんで討ち取りました。

併せて王鎮悪を収容、帰還いたします。


続いて司馬休之軍の要将、

魯軌ろき石城せきじょうにて撃破。

魯軌は兵を捨て逃亡いたしました。


向かう先は、襄陽じょうよう

無論祖父は追撃いたします。

そして襄陽を平定して後、

江陵こうりょうでの守護任務に就かれました。


416 年。

北伐のための人事がなされます。

劉裕様に与えられるのは、

もとの官位である太尉たいいと、

征討責任者としての将軍位、

平北、征西。計三府の責任者です。


これらの軍の取りまとめ役として

祖父は抜擢を受けました。


そして先鋒として、

淮水わいすい泗水しすい汴水べんすいと進み、

黄河こうがに進軍なされました。




從征劉毅,轉參太尉軍事。十一年,復從討司馬休之。高祖毎征討,林子輒摧鋒居前,雖有營部,至於宵夕,輒敕還內侍。賊黨郭亮之招集蠻衆,屯據武陵,武陵太守王鎭惡出奔,林子率軍討之,斬亮之於七里澗,納鎭惡。武陵既平,復討魯軌於石城,軌棄衆奔襄陽,復追躡之。襄陽既定,權留守江陵。十二年,高祖領平北將軍,林子以太尉參軍,復參平北軍事。其冬,高祖伐羌,復參征西軍事,悉署三府中兵,加建武將軍,統軍爲前鋒,從汴入河。


劉毅を征せるに從い、參太尉軍事に轉ず。十一年,復た司馬休之を討ちたるに從う。高祖の征討せる毎、林子は輒ち摧鋒せるの前に居し、營部有りたると雖も、宵夕に至り,輒ち敕し內侍に還ず。賊黨の郭亮之の蠻衆を招集せるに、武陵に屯據し、武陵太守の王鎭惡は出奔せば、林子は軍を率い之を討ち、亮之を七里澗にて斬り、鎭惡を納む。武陵の既にして平ぐらば、復た魯軌を石城に討ち、軌は衆を棄て襄陽に奔り、復た之を追躡す。襄陽の既に定ぐるに、權りに江陵に留まり守る。十二年、高祖の平北將軍を領せるに、林子は以て太尉參軍と、復た平北軍事に參ず。其の冬、高祖は羌を伐ちたらんとせるに、復た征西軍事に參じ、三府の中兵を悉く署し、建武將軍を加えられ、軍を統べ前鋒と爲り、汴より河に入る。

(宋書100-13_暁壮)




ん、なんか王鎮悪が面白いことになってる? しかしこの辺も「司馬休之戦で夜中に毎回呼ばれていたんです」とか、劉裕様からのご寵愛甚だしいアピールが鼻につく。いや事実なら事実でいいんですけどね……。

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