沈林子2 劉裕に投じる
しばしば
孫恩を討つために、政府は将軍を派遣。
主だった将と言えば、
しかしながら、彼らは兵らを放置。
掠奪をほしいままとさせていました。
その中にあり、ただ
掠奪も行わず、厳正な軍規のもと
戦っておられました。
そこで祖父は、劉裕様のもとに。
そして、語られました。
「
無理に従わされた結果、
祖父と父、及びその兄弟らは
皆、殺されてしまいました。
そのような中、おめおめと
生き恥を晒しておりますのは、
未だ復讐も遂げられず、また
年老いた我が祖老らの落ち着く先を
見出せておらぬからであります。
今日、将軍の戦いぶりを拝見し、
その悪をくじき、善を立てられるさまは、
大業を立たれるお方の戦いである、
そう感じました。
故に我々は、敢えて将軍に
身を投じたく思います。
将軍のもとであれば、罪に服することも、
厭いは致しますまい」
そう申すと、祖父は号泣致しました。
この様子を、劉裕様の配下たちが見て、
みな感動した、とのことです。
劉裕様も祖父の態度に感じ入られ、
こう、祖父に仰りました。
「お前たちは国に追われ、しかもここでは
仇にも付け狙われている。
なにも言わず、俺に従え。
京口に連れていこう。
そうすれば、身の安全は保たれるだろう」
そうして祖父以下一門の者を
別の船にお載せになり、
しかも京口に戻れば、
祖父らのため、わざわざ家まで
用意してくださったのでございます。
時孫恩屢出會稽,諸將東討者相續,劉牢之、高素之放縱其下,虜暴縱橫,獨高祖軍政嚴明,無所侵犯。林子乃自歸曰:「妖賊擾亂,僕一門悉被驅逼,父祖諸叔,同罹禍難,猶復偷生天壤者,正以仇讎未復,親老漂寄爾。今日見將軍伐惡旌善,是有道之師,謹率老弱,歸罪請命。」因流涕哽咽,三軍爲之感動。高祖甚奇之,謂曰:「君既是國家罪人,彊讎又在鄕里,唯當見隨還京,可得無恙。」乃載以別船,遂盡室移京口,高祖分宅給焉。
時に孫恩は屢しば會稽に出で、諸將の東に討ちたる者の相い續かば、劉牢之、高素之は其の下を放縱し、虜暴縱橫なれど、獨だ高祖が軍政のみ嚴明にして、侵犯せる所無し。林子は乃ち自ら歸して曰く:「妖賊の擾亂、僕が一門は悉く驅逼を被り、父祖諸叔は同じく禍難に罹り、猶お復た偷生天壤せるは、正に以て仇讎の未だ復さず、親老は漂寄したるのみ。今日、將軍の惡を伐ち善を旌ぜるを見、是れ有道の師なれば、謹んで老弱を率い、罪に歸し命を請わん」と。因りて流涕哽咽せば、三軍は之が爲に感動す。高祖は甚だ之を奇しみ、謂いて曰く:「君は既にして是れ國家の罪人にして、彊讎の又た鄕里に在らば、唯だ當に隨いて京に還ぜしまん、恙無きを得たるべし」と。乃ち別船を以て載せ、遂には室を盡く京口に移し、高祖は宅を分け給したる。
(宋書100-9_徳行)
セリフが難しい。大意は合ってるだろうけど、逐語的には訳しきれないなあ、ううむ。
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