高進之4 謝晦討伐    

謝晦しゃかいが反乱軍を立ち上げた時、

その軍勢の精強さについて

檀道済だんどうさいは憂慮していた。


そこで高進之こうしんしが動く。

檀道済の書と偽装して謝晦に手紙を与えた。

内容は「共に手を携えよう」。


この内容に大喜びの謝晦、

臨戦態勢を解除し、意気揚々と

軍勢とともに長江を下る。


江陵の防備が手薄となったところで、

高進之は間道から江陵こうりょう入り。


そして、江陵城に呼び掛ける。


「檀道済様は、

 長江上にて謝晦軍を大破なされた。


 そのそっ首を持ち、間もなく江陵に

 参上されよう!」


これを聞き、謝晦シンパたちは崩壊。

部下たちは何とか抵抗しようとしたが、

実際に檀道済の進軍によって

謝晦軍そのものが崩壊してしまえば、

もうどうしようもない。


謝晦軍鎮圧後、

高進之は司空しくう參軍となった。




及謝晦反,兵銳,道済憂之,進之詐道済書致晦,與之連,晦喜,不設備,悉精銳蔽江下。進之遂間道入江陵,揚言曰:「檀江州率重兵敗謝晦于江中,斬其首以徇。」故晦黨聞之解體,部下閉門拒之,事平,為司空參軍。


謝晦の反せるに及び、兵は銳く、道済は之を憂え、進之は道済が書を詐して晦に致し、之と與に連ねんとせば、晦は喜び、備えを設けず、精銳にて悉く蔽い江を下る。進之は遂に間道より江陵に入り、言を揚げて曰く:「檀江州は重兵を率い謝晦を江中にて敗り、其の首を斬り以て徇せん」と。故に晦が黨は之を聞き解體し、部下は門を閉ざし之を拒む、事の平ぐに、司空參軍と為る。

(三十國-4_妙計)




宋書南史とは経緯が少し違う。宋書南史は「檀道済が来たから瓦解」だったが、こちらは「檀道済が始め味方すると思ったら攻め破られた」になってる。この点についてはどちらかと言うとこちらの方が正しそうな気もする。何せこちらの方が卑怯。


っが、どうなんだろう。仮の決定は謝晦伝を眺めてからのほうがよさそうかなあ。檀道済と謝晦の関係性がどうにもうまく見出せないんだよな。

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