高進之2 生死を共に   

下沛かはい人の薛彤せっとうと交友関係を結んだ。

かれが檀道済だんどうさいと友人であったため、

檀道済ともよしみを得た。


三人は意気投合し、寝床を共に。

そして牛を生贄にささげ、

生死を共にすることを誓った。


檀道済が桓玄かんげんの追討に出ると、

部将の王雅おうがの首を取った。


更に桓玄軍を破って牛塘ぎゅうとうに追いやり、

また雍州、岐山への逃走ルートを封鎖。

天子の御旗と、

桓玄が乗っていた船を接収。


桓玄が討ち果たされたのち、

それらの功績は檀道済に託した。



また南燕なんえん征伐では攻城具を設計。

その精度は非常に精巧であった。


南燕の首都、広固こうこ陥落後、高進之は

廣固相の地位を得た。




與下沛薛彤為友,因薛交檀道済,三人者,誌義相閤,刑牲盟生死。從道済征桓玄,得首將王雅,敗桓兵于奔牛塘,又殺路雍岐,得天子旌節與桓所乘舟。事平,以功讓道済。及圍廣固,進之作攻具,甚精巧,事平,授廣固相。


下沛の薛彤と友と為り、薛の檀道済と交わりたるに因り、三人は義を誌し相い閤し、牲を刑し生死を盟う。道済の桓玄を征せるに從い、首將の王雅を得、桓が兵を敗り牛塘に奔らしめ、又た雍、岐の路を殺し、天子の旌節と桓が乘りたる所の舟を得る。事の平らぐに、以て功を道済に讓る。廣固を圍むに及び、進之は攻具を作し、甚だ精巧なれば、事の平ぐに廣固相を授く。

(三十國-2_暁壮)





王雅

孝武帝の側近であった王雅とは別人。あっちの王雅さんは 400 年に死んでるし、一方で檀道済と桓玄に接点が生じるとしたら早くとも 401 年以降なので、ここはもうどうしようもない。しっかし紛らわしいな!


それにしても家伝の場合、大体対象の功績は盛ってくる(沈約しんやくが書いた祖父の沈林子しんりんし伝とか盛り方が本当にひどい)。なので、結構官職とかも眉につばをつけるべきなことが多い。たとえばここで書かれている廣固相ってやつも、確かに城こそ存在したが、そんな郡も県も存在していなさそうである。つまり広固「城主」はいても、太守や相は、存在のしようがない。そこのボスってどゆこと?


うーんこの、全編から漂うゲタ履き&捏造の気配……お話として面白いんなら採用しても良さそうだが、という感じですなぁ。

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