ゆるふわ晋宋春秋１

皇后 劉裕の妻たち

武敬（ぶけい）皇后、臧愛親（ぞうあいしん）。東莞の人だ。

劉裕（りゅうゆう）と結婚したあと、劉興弟（りゅうこうてい）を生んだ。

劉裕は家族に対しても規律正しく接し、

また臧愛親もよく従った。

桓玄（かんげん）を倒したあと、

劉裕は一気に貴顕となったが、

臧愛親はあくまで質素倹約を貫いた。

また臧愛親の親族で劉裕に近づきたい、

と言うものがいても、許さなかった。

そんな臧愛親は４０８年の正月、

東府（とうふ）城で死亡。４８歳だった。

豫章（よしょう）公夫人を追贈され、

遺体は丹徒（たんと）県に葬られた。

劉裕が死ぬと、その遺言で

臧愛親の遺体は初寧陵（しょねいりょう）、つまり劉裕の墓に

合わせて葬られた。

張（ちょう）夫人、諱は不明。氏素性も謎。

こんな人であるが、

桓玄を倒して間もなくの頃、

劉裕に迎え入れられた。

そして劉義符（りゅうぎふ）と、劉惠媛（りゅうけいえん）を生んだ。

劉裕が皇帝になると、夫人とされた。

（つまり、后より一段落ちる扱い）

劉義符が廃位されると、

玉璽返還の後、劉義符とともに

呉（ご）郡に隠棲した。

また劉義隆（りゅうぎりゅう）が即位すると、

營陽（けいよう）王太妃とされた。

その二年後、死んだ。

婕妤（しょうじょ）、胡道安（こどうあん）。淮南の人だ。

桓玄を倒したあとに劉裕に迎え入れられ、

劉義隆を生んだ。

しかし４０９年になんらかの罪を得、

処刑された。４２歳だった。

丹徒に葬られた。

劉裕が皇帝に即位すると、

婕妤を追贈された。

劉義符の皇后は、司馬茂英（しばもえい）。

河內（かだい）郡溫（おん）県の人。

東晋の恭帝、司馬徳文（しばとくぶん）の娘だ。

司馬徳文が即位した段階で

海鹽（かいえん）公主とされ、

また劉義符が劉氏嫡子であることから、

婚姻が結ばれた。

宋の初めに皇太子妃となり、

劉義符が即位すれば、皇后となった。

しかし劉義符が殺されたところで

營陽王妃に格下げされ、

更にその後日には南豐（なんほう）王太妃に。

元嘉１６年に死亡。４７だった。

武敬臧皇后諱愛親，東莞人也。后適高祖，生會稽宣長公主興弟。高祖以儉正率下，后恭謹不違。及高祖興復晉室，居上相之重，而后器服粗素，不為親屬請謁。義熙四年正月甲午，殂於東城，時年四十八，追贈豫章公夫人，還葬丹徒。高祖臨崩，遺詔留葬京師，於是備法駕，迎梓宮祔葬初寧陵。武帝張夫人諱闕，不知何郡縣人也。義熙初，得幸高祖，生少帝，又生義興恭長公主惠媛。永初元年，拜為夫人。少帝既廢，太后還璽紱，隨居吳縣。太祖元嘉元年，拜營陽王太妃。三年，薨。武帝胡婕妤諱道安，淮南人。義熙初，為高祖所納，生文帝。五年，被譴賜死，時年四十二。葬丹徒。高祖踐阼，追贈婕妤。少帝司馬皇后諱茂英，河內溫人，晉恭帝女也。初封海鹽公主，少帝以公子尚焉。宋初，拜皇太子妃。少帝即位，立為皇后。元嘉元年，降為營陽王妃，又為南豐王太妃。十六年薨，時年四十七。

武敬臧皇后は諱を愛親といい、東莞の人なり。后は高祖に適し、會稽宣長公主の興弟を生む。高祖は儉正を以て下を率い、后は恭謹し違わず。高祖の晉室を興復せるに及び、上相の重に居せど、后が器服は粗にして素、親屬の謁せるを請いたるを為さず。義熙四年正月甲午、東城にて殂す、時にして年四十八、豫章公夫人を追贈され、還りて丹徒に葬らる。高祖の崩ぜるに臨み、遺詔にて葬を京師に留めんとせば、是れに於いて法駕を備え、梓宮に迎え初寧陵に祔葬さる。武帝張夫人、諱は闕す、何この郡縣人なるかを知らざるなり。義熙の初め、高祖の幸いを得、少帝を生み、又た義興恭長公主の惠媛を生む。永初元年、拜して夫人と為る。少帝の既にして廢さるに、太后は璽紱を還じ、吳縣に隨居す。太祖の元嘉元年、營陽王太妃を拜さる。三年、薨ず。武帝胡婕妤は諱を道安、淮南の人なり。義熙の初め、高祖に納れらる所と為り、文帝を生む。五年、譴賜を被りて死す、時に年四十二なり。丹徒に葬らる。高祖の踐阼せるに、婕妤を追贈さる。少帝の司馬皇后は諱を茂英といい、河內の溫の人にして、晉の恭帝の女なり。初に海鹽公主に封ぜられ、少帝は公子なるを以て尚したり。宋の初め、皇太子妃を拜す。少帝の即位せるに、立ちて皇后と為る。元嘉元年、降りて營陽王妃と為り、又た南豐王太妃と為る。十六年に薨ず、時に年四十七なり。

（宋書41-2_為人）

お妃さまランキングについては、

晋の時代の制度を乗っけておきましょう。

劉裕の時代は、晋に則ってました。

多分手を入れる意味を感じてなかった。

皇后

貴嬪（きひん）、夫人、貴人（きじん）（三公クラス）

淑妃（しゅくひ）、淑媛（しゅくえん）、淑儀（しゅくぎ）、

修華（しゅうか）、修容（しゅうよう）、修儀（しゅうぎ）、

婕妤（しょうじょ）、容華（ようか）、充華（じゅうか）（九卿クラス）

　美人（びじん）（それ以下のクラス）

これは、明帝の時代に下るとこうなります。

ふりがなは略。

皇后

貴妃　貴嬪　貴姬

淑媛、淑儀、淑容、昭華、昭儀、

昭容、修華、修儀、修容

婕妤、容華、充華、承徽、列榮

美人、中才人、才人

増やしすぎやろ…