劉裕59 長安奪還    

檀道済だんどうさいらが進軍し、

潼關どうかんに駐屯していた頃。


劉裕りゅうゆうの本軍は黄河こうがに到着したが、

河津かしんに陣取る北魏ほくぎ軍十万と遭遇した。

劉裕、諸軍に命じて北魏軍を撃破。


そして劉裕、洛陽らくよう陝城きょうじょうに到着。


またこの頃、王鎮惡おうちんあく

現地の木を伐採、船を製造し、

黄河から渭水いすいへと船にて進軍した。

なお渭水は、長安ちょうあんの側を流れている川だ。


沈田子しんでんし藍田らんでん姚泓ようおうを破ると、

長安に撤退した姚泓を、

今度は王鎮悪が破り、捕える。

こうして長安は陥落、後秦こうしんは滅亡。


劉裕が長安に到着してみると、

長安にはさしたる戦火のあともなく、

また多くの財産はそっくり残っていた。


そこで劉裕、いわゆる祭器のみを

接収し、建康けんこうへ送付した。

それ以外の宝石等は、

全て配下将に分配した。


建康に送られた姚泓は、

公開処刑された。


劉裕は劉邦りゅうほうの陵墓に拝謁したのち、

後秦に残されていた文武百官と

長安城未央殿びおうでんにて接見するのだった。




冠軍將軍檀道濟等次潼關。大軍入河。索虜步騎十萬,營據河津。公命諸軍濟河擊破之。公至洛陽、陝城。龍驤將軍王鎮惡伐木為舟,自河浮渭。扶風太守沈田子大破姚泓於藍田。王鎮惡剋長安,生擒泓。公至長安。長安豐全,帑藏盈積。公先收其彝器、渾儀、土圭之屬,獻于京師;其餘珍寶珠玉,以班賜將帥。執送姚泓,斬于建康市。謁漢高帝陵,大會文武於未央殿。


冠軍將軍の檀道濟らは潼關に次す。大軍は入河す。索虜の步騎十萬、河津に營據す。公は諸軍に命じ河を濟らしめ之を擊破せしむ。公は洛陽、陝城に至る。龍驤將軍の王鎮惡は木を伐し舟と為し、河より渭に浮す。扶風太守の沈田子は大いに姚泓を藍田にて破る。王鎮惡は長安を剋し、泓を生きて擒う。公は長安に至る。長安は豐全、帑の藏せること盈積たり。公は先に其の彝器、渾儀、土圭の屬をを收め、京師に獻ず。其の餘りたる珍寶珠玉は以て將帥に班賜す。執え送られたる姚泓は、建康の市にて斬らる。漢の高帝陵に謁し、未央殿にて文武と大會す。


(宋書2-14_暁壮)

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