執筆を続けていると、いつか何かに引っかかってしまう事があります。今はなくてもいつかそういう時が来ないとは言い切れません。そう言う状態になってしまった時にこの話が何かの役に立つのではないかと思います。
書けなくなる理由はケースバイケースなので、必ずしも絶対に役立つと断言出来る訳ではありません。ただ、同じ経験を経た人の話は何らかのヒントをきっと与えてくれる事でしょう。
と、言うわけで、現在執筆に苦しんでいる人に読んでもらいたいなと思います。そうでない人にも、あらかじめ読んでおけば将来同じ事態になった時にスムーズに対処出来るかも知れません。つまりは、多くの人に読んでもらいたいですね。
幸運なことに――というのか、私はまだここまで『書けない』という事態に陥ったことはありません。
というのも、いまも正直なところ『そんなに書けていない』からです。
雲江さんのように出版一歩手前までいったこともなければ、賞に出しても良くて一次通過です。
カクヨムでも、★100越えの爆発的ヒットなんてものもないわけです。
そりゃたまにネタがおりてこないなぁと思う時もありますし、情けなくも放置してしまっている長編もあったりします。けれどもいつかは書けるだろう、なんて。
だからこそ、危機感もないわけでして。
いまだって何とか書けているんだから。
そんな気持ちというか。
読んで思ったのは、そこそこ健康な人が油断して大病を患うイメージでした。
そうなるともう一気に弱ります。これまで自分の身体と上手く付き合ってた気でいたわけですから。それなのに裏切られた、自分に、と。
こんな私でも書くことは大好きなんです。自己満足の部分も結構ありますけど、読んでくださる方もいます。だったら、自分から「もう書くのはやめる」と言うまで書き続けたい。
書けなくなって苦しんでる人も、
私のように「いまはそれほどでもないし」と思っている人も、大変参考になるお話ではと思います。
「小説が書けない!」
それは作者にとって、恐怖以外の何物でもいでしょう。
今作は、作者様自身の小説が書けなくなった時の経験を赤裸々に描きつつ、それに対する対処が丁寧に語られている良作です。
小説を書いたことがある方なら、読んで共感するところ、羨ましくなるところ(私自身は、忘我の自動筆記状態になったことはないので、そんな経験が羨ましくなりました)、がきっとあると思います。
また、ラストでは小説を殺してしまうプロットの問題についてもふれられています。
ここで「なるほど!」と唸らされました。自分が思ってもみなかった視点を提示されるのは快感です!
小説が書けなくて苦しんでいる方だけでなく、今、幸運にも小説が書けている方にも、予防接種を受けるような気持ちで読んでいただきたい作品です。
きっと、糧になるところがありますから!
「小説が書けなくなった」「筆が進まない」「キーボードを前にしても、指が止まる」
そんな経験をしたことがありますか?
この作者様は、その時の経験を赤裸々に語っておられます。
人によって「書けない」理由は様々でしょう。
だけど、「書けない苦しみ」は似ているかも。
この作者様は『書けない』状態から復帰し、現在に至ります。
私はこの作者様の作品が大好きなので、まさかそんな過去があったとは思いもしませんでした。
とても、伸びやかに。そして楽しく活動されていると思っていたので(^◇^;)
今、ここで作品に出会える。
それは、実はものすごい奇跡なのかも。