最終話:メインプレイ:オープニング1
GM:まずはロジカのオープニングですね。シーンインをお願いします。
ロジカ:シーンイン! (ころころ)2点上昇、43%!
GM:前回の作戦から少しの時が過ぎ、警察・UGNは目暮警部の言葉通りにRメモリ事案への積極的介入から手を引いた。
一方でF都を守ろうとするロジカは、場当たり的にRメモリ狩りを繰り返していた。
君はフィリップの《ハンドリング》と共に、『アーミー』の怪人(エキストラ)を追撃中です。
フィリップ(GM):「ロジカ、敵の逃走経路を予測した。先回りして叩こう」
ロジカ:ではL6/40軽戦車が逃走経路に先回りし、ライトがアーミーを照らし出す。
アーミー(GM):「く、いつの間に!?」
ロジカ:「――
直後、機関砲や同軸機銃が雨あられと放たれる。
アーミー(GM):「ぐわぁーッ!」
GM:そうしてまた一つ、君はRメモリを狩る。ここ一週間ほど、君はそんな活動を繰り返していますね。
ロジカ:アーミーから排出されたRメモリを、ARX-160(イタリア製アサルトライフル)を持って戦車から降りてきたロジカが軍靴で踏み潰す。
バキッ 「フィリップ、これで何個目だ?」
フィリップ(GM):「かれこれ20個以上は固いね」
ロジカ:「そうか。だが……数は増える一方だな」
フィリップ(GM):「正直キリがないね。ともかく、一度帰投したまえ。休息と補給が必要だ」
ロジカ:「……ああ」
やり切れない苛立ちを言葉に滲ませ、ロジカは戦車に戻り、帰途につく。
GM:そうして探偵事務所に帰還したロジカですが……。
フィリップ(GM):「…………」
GM:フィリップは君を出迎えるでもなく、目を閉じて思索に耽っているようです。
ロジカ:「帰ったぞ」
フィリップ(GM):「ん、あぁ……おかえり、ロジカ。コーヒーでも淹れるとしよう」
GM:アームチェアに身を沈めたロジカに対し、フィリップはカップを差し出す。そして、君は驚くだろう。
なんと……出てきたコーヒーはいつものブラックではなかったのだ。
ロジカ:「む……?」
GM:甘さとまろやかな口当たりを兼ね備えたそれは、彼の味ではなかった。
そしてロジカの観察眼はさらなる変化に気づく。カップもまた、普段使いのものではなくなっている。
君の手中にあるそれには、洒落た字体でこう書かれていた。
『
PC一同:フィリップお前――!
GM:ふふふ。
ロジカ:「これは……」
フィリップ(GM):「驚いたかい? 実は君でも楽しめるようにと思って新しいバリスタを買ってみたんだ。それはカフェモカというアレンジさ」
ロジカの手元に視線を落とし、フィリップは言葉を続ける。
フィリップ(GM):「……そのカップはいつも頑張っている君へ。僕からのささやかな贈り物だ」
ロジカ:「……疲れた時には、甘いものが欲しくなる。助かるよ、フィリップ」
お礼を述べるロジカに、フィリップは
フィリップ(GM):「そうだろう? こうしていると思い出すね。初めて君にコーヒーを淹れた時の事を。
何も言わずにブラックを出したら、君は一口含んだ途端に眉間にシワを寄せて……それでも決して吐き出したり、残したりはしなかった。
飲んでくれる人の存在というのは、思いがけず嬉しいものさ。まあ、あまり君の舌には合わなかったかもしれないけれど」
ロジカ:「いや――まあ、正直言って苦手な味だったが」
フィリップ(GM):「だろうね。だが、それも今日までだ。これからは自分の好きな時に、君好みのものを淹れるといい。そのために機材を揃えたのだしね」
フィリップの言葉に、ロジカはゆるゆると首を横に振る。
ロジカ:「……それでも、な。誰かが淹れてくれたコーヒーというのは、それだけで味わい深くなるものだ。
こんなイタリアのことわざを知っているか?」
フィリップ(GM):「……?」
一拍置いて、ロジカはフィリップに指を突きつける。
ロジカ:「――鯛も一人はうまからず!」
GM:日本語だ……。
真白:日本語だ~。
守矢:うん、日本語だネ……。
フィリップ(GM):「……ふふっ」
その意味するところを察してか否か、静かに笑うのみ。
ロジカ:「…………」
フィリップ(GM):「ロジカ、確認したい事がある」
ロジカ:「聞こう」
フィリップ(GM):「君はこの街を守る探偵だ。その決意は本物だと僕は信じている。そして君は、Rメモリとの戦いを諦めていない」
フィリップは静かに、ロジカの胸元にかかる十字架を指し示す。
フィリップ:「問おう。例えどんな困難に直面してもRメモリを根絶すべく前に進むと、そのヒーローズクロスに誓えるかい?」
ロジカ:「師匠の、クロスに……」
手に取り、斜めに傷の入ったそれをぎゅっと握りしめて。
「……ああ。私の信ずるロジカ・ミリターレであれば……きっと」
それを聞いて、フィリップは満足そうに頷く。
フィリップ(GM):「安心したよ。君になら、最後の真実を話しても――託しても、大丈夫そうだ」
白紙の本を傍らに置き、ロジカの正面に腰掛けて。そうしてフィリップは語りだす。彼の言う、最後の真実を――。
ロジカ:では、そんな彼の様子に胸騒ぎを覚えながら。
(だがな――フィリップ。
探偵ロジカ・ミリターレは、独りでは成り立たんのだ)
「…………」
静かに、両手を温めるコーヒーカップの文字を見る。
(Chi trova un amico trova un tesoro.……どういう意味だこれ???)
疑問は一旦脇に追いやり、フィリップの話を聞くことにするのだった。
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