第23話 日常Miku

この世界に来てようやく3か月


慣れたか慣れていないかと聞かれたら


慣れるわけがない





早く上の世界に帰りたい


担当って言ってたKailからも


初日以来、一向に連絡がない


見守りだなんて、形だけじゃない


聞きたいことがたくさんあるのに





どうもこの環境に馴染めない


学校ではすべてのスケジュールが


決められているし


何かというと協力、協力


みんなで、グループでがお決まり


一人でやった方が早く終わるのに





一つ何かが流行ると急いで購入して


次の日には私も持ってるよアピール


特に女子にその傾向が強い


そんな私も一応、女子





この時期は共存意識が強いんだと思う


人と違うことが怖い


仲間外れにされたくない


一人になりたくない


周りに無理に合わせて我慢するぐらいなら


私は一人を選ぶ





今日は、テストがかえってきた


ま、こんなもんかな


国語35点 算数100点 社会89点


理科97点





国語が一番苦手、特に読解問題が


算数、理科ができてればそれでOK


今日も無駄に長い昼休みを一人過ごす


外に出ていいんだったら


いくらでも有意義に過ごせるんだけどな


せめてパソコンの持ち込みを


認めてほしい





少し前に持ってきて休み時間に使っていたら


それを見た誰かが先生に言いつけて


問題になって


それ以来、学校に新しいルールができた


パソコンは禁止って


今まで学校にパソコンを持ってきた生徒は


一人もいないって


先生に呆れながら言われた


過去にゲームを持ってきた子はいるらしい


だからゲームも禁止





仕方なく、最近は図書館で


過ごすことにしている


ここは友達と群れることを好まない子が


静けさを求めて逃げてくる


いわゆる避難場所だ


今日も相変わらずシーンとしている





静かすぎて


時計の針の音や歩く音、本を取り出す音


教室では掻き消されている音が


ここでは主人公になれる


本の貸し借りをするカウンターにはわざわざ


図書館では静かにしましょうという


張り紙までしてある





最近殺人事件や、ミステリー小説などを


読んでいる


この時間が唯一の楽しみ






 



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