第53話 レジパートのミスジャッジ
日曜や祝日は小売業ではさらに人手不足状態に。
土日祝日に時間給を割増するチェーンもあるが、微々たるものであるならば人は集まらない。
あるスーパーでもいつもは4台のレジが稼働しているのに、1台だけで行列ができている。
品だししている従業員とレジのパートだけでしのいでいる。品だししている従業員はレジの操作方法を知らないとなると、いくら行列が長くなってもレジパートだけのロンリーバトルとなる。
清算して支払いがスムーズに済めばいいが、お客が老人であったり、外国人であったりすると、もたついてボトルネック状態に陥る。
そういう日のレジパートは熟練さんが担当してるが、それでもお客を裁くのに大変そう。
レジに並んでいるお客もだんだんイライラしてくる。
ようやく次の番になっても、前のお客が老人でポイントカードを出したり、お金を出したり、レジ袋が必要なのかなどにモタモタして、延々と目の前で待たされる。
そんな時、出勤してきたレジパートがもう1台のレジを稼働させた。
小売業のルールで、新に稼働したレジへは行列で待っている最前のお客を誘導することになっているのだか、もたついている老人の後で待つお客を誘導せずに、そのお客の後ろのお客を誘導してしまっている。
最前で待っているお客は「何故?」と呆気にとられた表情。
多分、新にレジを稼働させたパートは、行列の先の老人のレジ処理はスムーズに終わると考えて、即座に最前のお客の番になると見込んでいたのだろう。
目測は大きな過ちに!
いくら経っても老人のお会計が終わらない!
老人がモタモタしている間に、隣のレジはどんどんお客を裁いている。
老人のお客の後の元々行列の最前のお客だけが取り残され、結局、最後にお会計となってしまった。
待たされ続けたお客のイライラは爆発寸前!
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